電子帳簿保存法が改正され、2022年1月から電子化が求められるようになります。
データ保存要件も厳格化され、電子取引データの書面保存が不可になり2ヶ月以内のタイムスタンプ付与などの要件が定められました。
自社のデジタル化を推進や取引先から電子サインを求められることが増え、Adobe Signなどの電子サインを検討している法人も多いんじゃないでしょうか?
- Adobe Signってなに?
- Adobe Sign導入のメリットは?
- Adobe Signの価格や使用料金は?
- Adobe Singのプランによる違いは?
- 電子サインの法的有効性は?
以上の疑問についてわかりやすく解説します。
Adobe Signとは? 電子サインのメリットと特徴

Adobe Signとはアドビ社の提供する電子サインサービスのこと。
書類データの基本であるPDFの生みの親ということでPDFとの連携に優れているのが特徴。
世界中で使用されている信頼性の高い電子サインサービスです。
Adobe SignとAcrobatの違い
AdobeのAcrobat Pro DCにも電子サイン機能が搭載されています。
Adobe Signは電子サインに特化した専用サービスなので、Acrobatには無い機能が搭載されています。
利用者が1人の場合はAcrobatで十分なので、Adobe Signは複数人で利用する法人向けのソフト・サービスになります。
電子サインはコスト削減効果あり
ペーパーレスにし、電子サインにすること以下のコストを削減することができます。
- 印刷代
- 郵送代
- 印紙税
- 人件費
- 場所代

リモートワークに対応している会社はハンコや直筆のサインが不要になる電子サインがおすすめ。
わざわざ印鑑を押すために出社する必要もなく、書類の承認などの手間も大きく省くことができます。
サインをもらうまでの期間を大幅に短縮できる
紙の書類を利用する際にかかる「時間」も短縮することが可能。
印刷や製本にかかる時間、郵送にかかる時間、それに対応するまでの時間…すべてを短縮することができるので契約完了までの期間を数日レベルで短縮することができます。
紙を使わずに契約をスムーズに結ぶことで業務効率の向上も期待できます。
電子印鑑スタンプやタイムスタンプにも対応
Adobe SignやAcrobat ProはPDFファイルに手書きのサインや印鑑スタンプを押すことができます。
手書きのデジタルサインも毎回書く必要はなく、印鑑設定しておけば同じサインを繰り返し利用することができます。
また、これらのサインやスタンプにはタイムスタンプだけでなくいつ誰が押したのかわかる履歴情報が記録されるので、通常の認印以上に信頼性が高くなります。
あらゆるデバイスに対応
Adobe SingやAcrobatの署名はあらゆるデバイスに対応しています。
署名する側はアプリのインストールも不要。
URLをクリックして署名するだけなので上司や顧客をわずらわせることがありません。

出先でPCがなくてもスマホだけで承認作業を行うこともできるので業務の進行もスムーズ
一斉送信や署名フォーム化により大量署名の効率化
Adobeの電子サインは一斉送信機能が搭載されているので同時に複数人に署名依頼を送ることができます。
また、Adobe Signでは共通のURLを発行して不特定多数がフォームから署名してもらったりWebサイトに埋め込んで署名欄を作るといったことまで可能になっています。
さまざまなシチュエーションに対応可能です。
電子データ管理が容易になる
電子サインを導入することで書類の整理がとても容易になります。
パソコンで作成した書類を印刷してハンコ押して、再びスキャンして紙もデータも保存…というわずらわしい作業をなくすことができます。
- 契約書
- 発注書
- 請求書
- 誓約書
- 承諾書
などなど、あらゆる書類、あらゆる職種で利用が可能です。
Adobe Signの価格とプラン比較

ちょっと複雑なAdobe Signおよび電子サイン機能のついたAcrobat Pro DCの料金プランについて解説します。
電子サイン Adobe Signの料金一覧
電子サインに対応したAdobeのプランは以下の4つ
電子サイン対応プラン | 月額料金(年間プラン) | トランザクション |
---|---|---|
Acrobat PDF Pack | 1,848円 | 年150回 |
Acrobat Pro DC | 2,948円 | 年150回 |
Adobe Sign 小規模企業版 | 4,270円 | 年150回 |
Adobe Signビジネス/エンタープライズ版 | 見積もり | 見積もり |
年間プランで1ライセンスあたりの価格になっています。
Adobe Signは小規模企業版は2~9ライセンス程度を対象としています。
それ以上のライセンスが必要な場合は機能やトランザクション数をカスタマイズして独自の見積もりを発行してもらえるので問い合わせしてみましょう。
トランザクションについて
電子サインはどのプランにも年間150回のトランザクションが付与されており、1署名ごとに1トランザクション消費します。
小規模企業版、ビジネス版ではライセンス数ごとにトランザクションが追加され、共有で利用することができます。
ビジネス/エンタープライズ版は必要に応じてトランザクション数をカスタマイズして見積もりすることができます。
個人ユーザーはAcrobat Proの電子サイン機能を利用
Acrobat Pro DCおよびPDF Packにも電子サイン機能が搭載されているので、企業での利用でなければAcrobat Proを使用することになります。
Acrobat Pro DCとAcrobat PDF Packの違いは、高度なPDFの編集機能がついているかどうかの違いです。
PDFの編集を行わず、電子サインのみを行いたい場合は料金の安いPDF Packを選びましょう。
PDF編集機能の詳細については以下の記事をご覧ください。
Acrobat Pro DCはコンプリートプランにも付属
Acrobat Pro DCはAdobe CC コンプリートプランにも付属しているので、Adobe CCを利用している人は追加料金なく150トランザクションまで使用することができます。
コンプリートプランは安く買う方法があるので他のソフトの利用予定がある場合は以下の方法も参考にしてみてください。
Adobe Signの月額料金
Adobe Signの料金は1ユーザーにつき4,270円/月
10ライセンスを超える場合や、後述する追加機能を付与したい場合などは独自プランにカスタマイズできるビジネス/エンタープライズ版を検討しましょう。
Adobe Sign小規模企業版、ビジネス版、Acrobat Proの比較

Adobe Signのプランごとの機能の違いを解説します。
Adobe SignとAcrobat Proの電子サイン機能比較表
Adobe Signの小規模企業版とビジネス版の違い、およびAcrobat Proの違いは以下の表とおりです。
比較項目 | Acrobat Pro DC | Adobe Sign 小規模企業版 | Adobe Sign ビジネス/エンタープライズ版 |
---|---|---|---|
月額料金 | 1,738円 | 4,270円 | 見積もり |
電子サイン | ◯ | ◯ | ◯ |
サポート | チャット | 電話・チャット | 電話・チャット |
ロゴの追加 | × | ◯ | ◯ |
一括送信 | × | ◯ | ◯ |
Webフォーム | × | ◯ | ◯ |
システム連携 | × | × | ◯ |
システム用API | × | × | ◯ |
どのプランを選んでも電子サインは可能です。
Adobe Signの小規模企業版とビジネス・エンタープライズ版の違い
Adobe Signは2~9ユーザー向けに小規模企業版を提供しています。
小規模企業版でもAdobe Signの基本機能はすべて有していますが、一部の高度な機能は大きな法人向けのビジネス・エンタープライズ版でのみの提供になっています。
以下の特殊な機能を利用したい場合はAdobe Sign ビジネス/エンタープライズ版が必要になります。
- システムAPIの利用
- Webフォームの設置
- フレームワークへの組み込み
Acrobat Pro単体でできる電子サイン関連機能
Adobe Signは電子サイン専用サービスのため機能が豊富ですが、Acrobat Proも以下のとおり多くの機能を備えているので個人事業主や小規模事業者で社長のみが利用する場合などはAcrobat Proの利用で十分と思われます。
- 署名等のフォームフィールドを自動的に追加してフォームを準備
- モバイルアプリで本人から直接署名を取得
- 署名済み文書と監査証跡を保存し共有
- スマートフォンへのテキストメッセージで手書きの署名を追加
- 署名する前にパスワードを要求
- 署名用文書を、Microsoft Word、Outlook、PowerPointから直接送信
- Dropboxから署名用文書を送信
- 受信者はダウンロードやログインせずに、文書を開いて署名可能
- 対応状況のトラックと管理
- モバイルでスキャンと署名
- 受領印その他の個人別認印を追加
- 製品内チャットサポート
- 34言語から選択
電子サインとデジタル署名の法的有効性について

電子サインって法的に有効なの?

Adobe Signのようにセキュリティ基準を満たしているものは有効です!
Adobe Signは法的にも有効な電子サイン
電子サインはPDFに電子印鑑が押されるだけでなく、データそのものにアカウント情報が紐づくことで本人証明になります。
また、データの記録が残るため非改ざん性が認められ証拠として残すことができるため法的な基準をクリアしています。
- 本人のサインであることの証明
- 改ざん防止対策がされていること
さらにAdobe Signはクラウド上でファイルのトラッキングを行うため、強固な本人証明や非改ざん性を証拠として残すことができます。
- 二段階認証可能
- ワンタイムパスワードの入力
- 送付先メールアドレスとサインのログ
さらに信頼性の高い電子署名にも対応
一般的に印鑑を使うようなものはAdobe SignやAcrobatの電子サインでも問題ありませんが、より強固な証拠が求められる契約書においては電子署名を利用することができます。
代表者の実印や印鑑証明が必要になる場面では、認証局によって発行される証明書を組み込んだ電子署名を利用することも可能です。
電子サインと電子署名の違い
電子サインと電子署名は同じものとして扱われることもありますが、Adobe Signにおいては明確に区別されています。
比較項目 | 署名の違い | 紙で例えると |
---|---|---|
電子サイン | 有効性のある電子サイン | 印鑑やサイン |
電子証明 | 認証機関に証明された電子サイン | 実印+印鑑証明 |
電子証明も電子サインの一種ですが、第三者機関による証明が付与された信頼性の高い署名になります。
通常の電子サインにも法的有効性が認められていますが、電子署名は印鑑証明書つきの書類のように強い信頼性を求める際に利用されます。
高額取引の契約書や重要度の高い契約に使われます。

電子証明が必要なイメージは実印と印鑑証明が必要になる契約です
無料でAdobe Signをはじめてみる
電子サインに関しては実際に試してみて、使用感を見てみるのが一番。
Adobe SignおよびAcrobatには無料体験が用意されているのでまずは実際に試してみましょう!
Adobe Signは2週間無料!

Adobe Signには14日間の無料体験期間が用意されているので無料でAdobe Signを使うことができます。
まずは無料で試してみてから製品版に移行してみると良いですよ。
ライセンス数が1つでいい場合はAcrobat Proの無料体験を!
Adobe Signは法人利用を想定したサービスです。
個人で電子サインを利用したい場合はAcrobat Pro DCの無料体験をお試しください。
Acrobat Pro DCは7日間の無料利用が可能です。
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