【PDF編集だけじゃない】Adobe Acrobat Pro DCでできること【機能・価格比較】

PDF編集ソフトのAdobe Acrobat ProはPDFの編集や加工に特化したソフトです。

PDFはパソコンでもスマホでもレイアウトが崩れず表示・印刷できる便利な形式で、あらゆる現場で使用される汎用性の高いファイル形式ですが、基本的に直接編集できないので不便に感じる人も多いのではないでしょうか。

AcrobatはこのPDFを作成・編集・保護・署名するための万能PDFソフトです。PDFというファイル形式を開発したAdobe社が提供しているソフトなので互換性もバッチリです。

無料の閲覧ソフトAdobe Readerは多くの人が使用していると思いますが、有料版のAcrobat Proにするととっても便利！

Adobe Acrobat Proでできること

Adobe Acrobat ProはPDFに関わることならほぼなんでも出来ると言っても過言ではないほど多機能。

具体的には下記のようなことができます。

PDFの閲覧や作成ができるのはわかると思いますがAcrobat Readerとの違いの部分、Acrobatプロならではの機能をご紹介します。

PDF変換が万能、相互変換OK

ほぼすべてのファイル形式をPDFに変換する機能を備えています。

例えば下記のような変換はAcrobat Proがあればあっという間に作業完了。

Acrobat Proがすごいところは単にPDFに変換するだけでなく、内部データを保持したままPDFに変換してくれるという点。

例えばExcelのxlsxをPDFに変換する際には関数の計算式（=sum(A2:A6)みたいなやつ）をしっかりと保持してくれます。

さらに書体やフォントサイズと言った書式設定もしっかりと保持されているのでPDFからの復元が容易。

PDFのまま何でも編集できちゃう

上記のように変換して別ソフトで編集…っていうことももちろんできますが、PDFから変換するまでもなく直接編集することもできます。

など、基本的な編集機能があるので校正作業はAcrobat Proのみで完結。

業務でありがちな下記の流れ

Acrobat DC Proがあれば下記のように短縮できます。

このように直接PDFを編集できると無駄なやり取りをなくし、作業を大幅に効率化することができますね。

スマホアプリからも処理できるので外出が多い人にも最適。

共有機能でグループ作業を効率化

PDFの共有はURLをクリックするだけで行えるのでデバイスや場所を問いません。

自身のアカウント内での共有はもちろん、メンバー登録したグループ内でも共有可能。

さらに下記のような機能も搭載されておりグループ作業がとっても楽になります。

Acrobat Proには電子サイン機能が搭載されているのでデジタル化への対応もバッチリ。

Acrobatは電子署名にも最適

OCR機能で書類を電子化

Acrobat Proはスキャンして取り込んだデータを自動で文字認識し、似たフォントに代替してくれるので見た目もバッチリ。

OCRで文字認識したPDFにしておくことで膨大な書類もテキスト検索が可能になるのでアーカイブにも最適。

スキャンした画像をAcrobat ProでOCR&PDF化するだけなので超お手軽にペーパーレス化が実現できますよ。

最新アップデートで進化したAcrobat Pro（AIサポート機能）

AIアシスタント機能の強化

Acrobat ProにAIアシスタントが搭載され、PDFの要約や質問への回答が可能になりました。文書の種類に応じて質問がカテゴリ分けされ、「理解」「分析」「生成」から選べます。
例えば、「要約して」や「この契約書の重要ポイントは？」といった質問をAIに投げかけられます。さらに、AIがキーワードの類義語や関連質問まで提案する検索機能も強化され、文書内検索が便利に進化しました。

マルチドキュメント編集が効率化

複数PDFを扱う場合に便利な同時編集機能が強化されました。複数タブを開いていると、AIアシスタントが「複数ファイルを比較しますか？」など、文脈に応じた提案を表示。また、ホーム画面の「チャット」タブで、過去のAIとのやり取り履歴を簡単に確認できます。これにより、複数PDFを行き来する作業の効率が大幅に向上しました。

Adobe Expressとの連携（AI画像生成）

Acrobat内から直接AIによる画像生成が可能になりました。生成AI「Adobe Firefly」により、「〇〇の写真を挿入」とテキスト指示するだけで画像を生成してPDFに追加できます。物足りない資料の隙間に写真やイラストを気軽に挿入することができます。さらに、Photoshopを使わずとも、Acrobat単体で画像の明るさ調整やトリミングなどの簡易編集もできます。

Acrobat Pro、Standard、Readerの機能の違いを比較

Acrobat Reader / Standard / Proの違いは？

• Acrobat Reader
  無料のPDF閲覧ソフト。PDFの表示、注釈の追加、印刷、簡単な署名などは可能ですが、PDFの本格的な編集や変換機能は使用不可
• Acrobat Standard
  基本的なPDF編集ができる有料版。Windows版のみ提供で、Acrobat Proより機能はやや限定的
• Acrobat Pro
  PDF編集や変換、注釈、電子署名、OCR、セキュリティ保護などあらゆる機能を網羅している最上位版。Windows / Mac両方で利用でき、AI機能など、最新機能が最も早く導入されるプラン

Acrobat Readerは「閲覧」が中心。さらに高度な編集・変換を行いたい場合は、Acrobat Proを導入すればPDFでできることがぐんと増えます。

Acrobat ProとStandardの違い

比較項目	Acrobat Reader	Acrobat Pro DC
月額料金（年間プラン）	無料	1,980円/月
PDFの表示/注釈の追加、印刷	可	可
PDFを作成・編集（テキストや画像）	不可	可
スキャン	不可	可
パスワードで保護	不可	可
PDFをWord、PowerPoint、Excelなどのファイル形式に変換	不可	可
PDFへの署名、署名の依頼と進捗管理	回数制限あり	可

Adobe AcrobatとAdobe Readerの違いは「編集機能」と「管理機能」の有無といった感じですね。

大雑把なイメージは下記の通り。

閲覧、注釈、印刷、署名といった基本操作は無料のAdobe Readerだけでも可能です。

しかし前述したAcrobatならではの機能（編集、変換、結合、圧縮、暗号化、OCR、ファイル比較など）は使用できません。

Adobe Acrobatの「Pro」と「Standard」の違い

比較項目	Acrobat Pro	Acrobat Standard
月額料金（年間プランの場合）	1,980 円/月	1,518 円/月
利用可能OS	Windows/Mac	Windowsのみ
Word、Excel、PowerPoint形式に書き出し	利用可	利用可
テキストや画像の編集、ページ並べ替え、削除	利用可	利用可
フォームの記入、署名、送信	利用可	利用可
複数の文書を1つのPDFに結合、整理	利用可	利用可
電子サイン用に文書を送信、リアルタイムでトラック	利用可	利用可
PDFをパスワードで保護	利用可	利用可
モバイル編集機能	利用可	利用可
スキャンした文書を編集および検索可能なPDFに変換	利用可	利用不可
2つのバージョンのPDFを比較し、すべての差分を確認	利用可	利用不可
PDF内の機密情報を完全に削除	利用可	利用不可
ISOとアクセシビリティ標準規格にPDFが準拠しているか検証して修正	利用可	利用不可

AcrobatにはProとStandardの2種類のプランが用意されており、月額462円の価格差があります。

StandardとProを比較して、Proが優れている点はいくつもあるので「稀にしか使わない」という人でなければProを選ぶのがおすすめです。

また、アップデートで追加される最新機能はProにしか搭載されないこともあるのでできればProにしておきたいところ。

Adobe Acrobat Proの永続ライセンス版は販売終了

依然として需要のある永続ライセンス、買い切り版について。

PhotoshopなどのAdobe CCは買い切り版の販売が終了しましたが、Acrobat Proはその後も永続ライセンスを販売していましたが、2024年をもって販売終了しました。

とはいえサブスクは常に最新版にアップデート可能ですし、サポートが切れる心配もありません。さらにクラウド機能やAI機能を利用可能といったメリット多数なのでサブスクを推奨します。価格については後述します。

Acrobat Proの料金プランと永続版の価格比較 安く買う方法は？

Acrobatの価格表は下記の通り。

製品種類	月額料金	一括料金
Adobe Acrobat Pro	1,980円	20,856円
Adobe Acrobat Standard	1,518円	18,216円
Adobe Acrobat Pro 2020 永続ライセンス	買い切り	95,326円
Adobe Acrobat Standard 2020 永続ライセンス	買い切り	60,412円

ProとStandardの違いは先程解説したとおり、複数の機能差がり月額462円の差額があります。

Acrobat 2020までは買い切り版となる永久版を提供してきましたが、現在は販売が打ち切られサポートも2025年6月で打ち切りとなります。現在はサブスク版へのアップデートが推奨されています。

Adobe Acrobat Pro DCはサブスクと永久ライセンスどちらがお得？

結論から言うとサブスク版の方が圧倒的にお得です。

永久ライセンスを購入する場合に注意したいのが下記の5つ

また、価格が95,326円と高く、最低5年以上使わないと元が取れないのでおすすめはしていません。

追加で37,697円支払えばアップデート可能ですが、アップデートしていたらいつまで経っても元が取れないのでやはりサブスク版のほうが結果としてコスパ良いんじゃないかなっていう感じです。

無料版とPro版はここが違う！Proを選ぶべき理由

アップデートおよび最新機能含め、全機能をフルに使えるAcrobat Proが最強。サブスクといえど、付加価値を考えると価格差は大きくはありません。

編集・変換機能
無料のAcrobat Readerは基本的に閲覧専用で、PDFの閲覧・印刷やコメント記入が可能です。しかし、PDF内のテキストや画像の編集、ページ順序の並べ替え、複数ファイルの結合といった機能はありません。一方、Acrobat Proではこれらがすべて可能です。例えば、「PDFの文章を一部削除・修正したい」や「複数の資料を1つのPDFにまとめたい」といった場合に便利です。

PDF作成・書き出し
Readerでは、Office文書をPDFに変換したり、PDFをWord・Excel・PowerPointなどに書き出す機能がありません（Office側の保存機能を使用する必要があります）。一方、Acrobat Proならワンクリックで他形式への変換が可能で、レイアウトが崩れることもほとんどありません。レビューでも「WebページをPDF化しても正確にレイアウトを再現できる」と評価されています。これはAdobeの高精度なPDFエンジンによるものです。

高度な機能
Acrobat ProにはOCR（光学文字認識）機能があり、スキャンしたPDFでも文字を起こして編集可能にできます。また、PDFの比較機能で2つの文書の差分を自動検出したり、特定箇所を墨消し（黒塗り）する機能も搭載。これらは機密情報の処理や契約書の改定チェックなどに役立つPro限定機能です。

電子署名と共有
無料版でもPDFへの記入や電子署名の挿入はできますが、他人に署名をリクエストしたり、レビューを管理する機能はPro版のみです。Acrobat Proでは、PDFをオンラインで共有し、進捗を追跡したりクラウド経由で共同編集が可能。契約書の締結やチームでの校正作業がスムーズに進むため、ビジネス現場で重宝されています。

Adobe CCコンプリートプランユーザーなら無料で利用可能

ちなみにAdobe CCのコンプリートプランに加入している人はAcrobat Proもプラン内に含まれているので追加料金を支払うことなく無料で利用可能です。

コンプリートプランならすべてのAdobe CCソフト全45種が使い放題！

Adobe CCを安く買う方法もあるのでこちらも要チェック。

購入方法まとめ

以上Acrobatについての解説でした。

自身に最適なプランを選んで使ってみてくださいね！