InDesignは本のデザインに欠かすことができない印刷デザイン向けのソフトウェアです。
Illustratorよりも複数ページの管理やデザイン変更が容易なため本の制作に適しています。しかし、機能が多く使い方が異なるため、初心者は本で体系的に学ぶことをおすすめします。
この記事では、初心者向けと中級者以上向けのInDesign学習本を紹介します。
【未経験・初心者におすすめ】InDesignの基本をしっかり学べる本
どんな本を選んでよいかがわからない人向けにInDesignの学習本を選ぶためのポイントも後述しているのでどんな本を選んでいいか全くわからないかたは参考にしてください。
まずはInDesignを初めて使う人向けに基礎的な部分から学べる入門書、初心者向けの教科書を紹介します。
世界一わかりやすい InDesign 操作とデザインの教科書
世界一わかりやすい InDesign 操作とデザインの教科書
ベクトルハウス 著
発売日:2021/5/12
ソフトVer.:InDesign 2021
対象:未経験・初心者向け
定価:2,948円/電子書籍:2,801円
はじめてInDesignを学ぶ初心者におすすめの書籍が「世界一わかりやすい InDesign 操作とデザインの教科書」になります。
InDesignの基礎知識からよく使う機能の使い方まで幅広く網羅しているので本書だけで必要な知識を十分網羅することができます。
各説明ページは操作方法がわかりやすいように以下のように図解やスクリーンショットの図示で丁寧に解説されています。
ドキュメントの扱いからデザインに必要な機能を学ぶことができますが、それだけではなく効率よく作業を行うための便利機能の解説もあります。
使い方をわかりやすく解説してくれているだけでなく、本書にはレッスンデータの特典があるので実際に自分でも同じように試すことが可能です。
15のレッスン以外にも課題として練習問題もついているので実際にInDesignがスキルとして身についたかどうかチェックすることもできます。
初心者からちゃんとしたプロになる InDesign基礎入門
初心者からちゃんとしたプロになる InDesign基礎入門
森 裕司 著
発売日:2020/12/22
ソフトVer.:InDesign 2021
対象:未経験・初心者向け
定価:3,080円/電子書籍:2,926円
解説ペースがゆっくりでページデザインも初心者向けの印象が強いものなので入門書として最適です。
入門書とはいえInDesignの基本機能を学べる内容になっています。必要最低限の知識をゆっくりとしたペースで学んでいきたい人におすすめです。
ドキュメント作成からテキストの扱い、画像の扱い、ページ操作など基本中の基本からしっかりと学んでいく内容になっています。
入門書というだけあって難しい内容や深い内容はあまりなく、初心者向けに特化した内容になっています。
InDesignを使いこなしたいというよりも、InDesignを学びたいけれども何から初めていいかわからないという未経験者に向いています。
きほんのインデザ InDesign必修ガイド
きほんのインデザ InDesign必修ガイド
井上のきあ 著
発売日:2020/10/16
ソフトVer.:InDesign 2020
対象:未経験・初心者向け
電子書籍:2,530円(書籍版なし)
電子書籍は読みにくいから避けるようにしたほうが良いのですが、本書は電子書籍専用となっているため電子書籍でも見やすいようになっているのが特徴です。
(Amazon Kindleや楽天 koboなどで購入&閲覧が可能です)
上図のように縦書き表示で画面全体が見れるようなデザインなので9インチ程度のタブレットでも文字をしっかり読むことができます。重要なポイントに絞って解説されているので簡潔に学びたい人にも向いています。
もし書籍版を購入したくないなど、電子書籍版を希望する人にはおすすめですが、流石にスマホでは読みにくいので注意してください。
この本は、InDesignの機能を学ぶと言うより初心者やIllustratorをメインで使用している人が本を自力で作れるようにするための学習本です。
最初の章でInDesignを使った作業の流れを簡潔に学べるので本の作り方が理解しやすいです。
細かい機能の解説などは無いのですが、「本当に必要なポイント」「多用する機能」「これさえ知っておけばなんとかなること」など重要部分を効率良く学べる点がメリットです。
Illustratorはよく使うけどInDesignが難しく感じる人など、すでにIllustratorを使える人だと特に相性が良い本になっています。
【中級者以上におすすめ】InDesignを効率よく使う方法を学べる本
すでにInDesignを使ったことがあり、基本的な機能は理解しているけれど「作業を効率化したい」「もっと使いこなしたい」といった中級者以上の人におすすめの本を紹介します。
超時短InDesign「文字組み&レイアウト」速攻アップ!
超時短InDesign「文字組み&レイアウト」速攻アップ!
森 裕司 著
発売日:2018/1/20
ソフトVer.:InDesign 2018
対象:中級者〜上級者向け
定価:2,398円/電子書籍:2,278円
本書はInDesignの基本的な使い方を学ぶわけではなく、Tipsごとに自分が欲しいものを選ぶ感じです。
例えば以下のような目的に応じた使い方の説明を解説しています。
- テキストやオブジェクトのカラーを一気に変えたい
- テキストに連動して動くオブジェクトを作成したい
- テキストの量に応じてテキストフレームを可変させたい
- 条件に応じて文字を詰めたい
- 条件に応じて自動的に文字スタイルを適用したい
- ショートカットのないコマンドにショートカットを割り当てたい
このような感じでInDesignに役立つ時短テクニックや効率化テクが61用意されています。
バージョンはCS6〜CC2018まで対応となっており、若干古いのですが内容自体は現役です。
InDesignに慣れているプロでも知らない効率化テクがあったりするので作業効率化を目指す人におすすめ。
神速InDesign(Web Professional Books)
神速InDesign(Web Professional Books)
森 裕司/尾花 暁/たけうち とおる/宮地 知 著
発売日:2013/9/30
ソフトVer.:InDesign 2013
対象:中級者〜上級者向け
定価:3,300円/電子書籍:3,270円
10年前の書籍で古いのですがInDesignはCCシリーズであれば使い勝手に大きな差はないため現在でも十分に通用するテクニックが掲載されています。
とはいえ前述した「超時短InDesign「文字組み&レイアウト」速攻アップ!」と同じような時短・効率化に特化した書籍になっているため古本屋や図書館で借りるとかでもいいかもしれません。
- 環境設定とワークフロー
- 基本操作の神速テクニック
- ページレイアウトの神速テクニック
- 文字組みの神速テクニック
- スタイルの神速テクニック
- 画像とグラフィック表現の神速テクニック
- 自動処理の神速テクニック
約80本の効率化テクニックTIPSが収録されています。各項目には取り入れるとどれだけ時短になるのか目安も載っているので作業の効率化の実感がわきやすくなっています。
操作方法に関しては中級者向けに若干省略されているところもありますが、必要最低限の説明はされているのでちょっとInDesignを使ったことがあれば問題なく使いこなすことができると思います。
とはいえ基本的な説明から解説している書籍ではないため「InDesignに慣れてきたけどもっと効率化できないかな?」と考えている人におすすめです。
InDesignを扱う上で必須となるDTP知識が学べるおすすめ本
InDesignはソフトの知識だけでは十分に使いこなすことはできません。書籍などの印刷物を扱う上で欠かせないDTP知識を学べるおすすめの本もあわせて紹介します。
印刷所に入稿するためのデータを作成するためにはさまざまな知識が必要となります。
InDesignの操作とともに印刷の基本もしっかり覚えておきましょう!
入稿データのつくりかた CMYK4色印刷・特色2色印刷
入稿データのつくりかた CMYK4色印刷・特色2色印刷
井上のきあ 著
発売日:2018/8/27
対象:初級者〜中級者向け
定価:2,750円/電子書籍:2,613円
印刷物の基本が網羅的かつわかりやすくまとまっている本です。
本書1冊だけで印刷に必要となる知識の大半はカバーできるため最初の1冊としてもおすすめ。
全ページフルカラーで図解を普段に使ってわかりやすく解説されています。
印刷物の「版」についてなど、基本ながらも理解していないポイントなども丁寧に解説されています。
InDesignだけでなく、印刷物を扱うIllustratorでも役立つDTP知識がソフトごとに解説されています。
グラフィックデザイナーのためのDTP&印刷しくみ事典
グラフィックデザイナーのためのDTP&印刷しくみ事典
生田 信一/板谷 成雄/NPO法人著作権推進会議/大島 篤/郡司 秀明/ コン・トヨコ/鷹野 凌/伊達 千代/西村 希美/古籏 一浩/丸山 邦朋/ 村上 良日/森 裕司 著
発売日:2022/11/29
対象:初級者〜上級者向け
定価:3,960円/電子書籍:3,762円
グラフィックデザイナーのためのDTP&印刷しくみ事典はDTPに関する知識を解説した本です。
本書は仕組みや印刷工程の流れを順にわかりやすく解説しているため、DTP知識を深めるのに最適な本となっています。
- プランニング
- 編集
- レイアウト
- 組版
- データフィニッシュ
- 刷版出力
- 校正
- 印刷
- 後加工・製本
印刷物ができるまでの上記の流れを、知識・技術の解説とともに詳しく学ぶことができます。
印刷に欠かすことができないインク・色の仕組みも解説
デザイナーが普段目にすることの少ない「印刷機の仕組み」や「面付け」などの印刷所の知識なども解説されているため理解が深まります。
印刷には様々な種類があり、よく使うオフセット印刷だけでなく、活版、箔押し、表面加工などの特殊印刷の仕組みなどインクや用紙についても学ぶことができます。
InDesignを扱う上でも役に立つ知識が詰まっているので印刷知識もあわせて学んでみてください。
InDesignの学習本を選ぶポイント
InDesignの学習本を選ぶ際のポイントを解説します。
自身に必要となる情報がしっかり含められていること
まず「自分に必要となる情報は何なのか?」を考えてみましょう。
「初めてInDesignを使う人」「もっと使いこなしたい人」それぞれ適した本は異なります。
はじめて学習する人であればInDesignの基本から学べる入門書を選びましょう。テキストの入力方法や画像の配置といった基本についてもしっかり解説されています。
対応バージョンはCC対応を選ぼう
InDesignは古いバージョンと最新バージョンを比較してもUIがそこまで大きく変化していないため何年も前の古いバージョンの本であっても使うことができます。
しかし、パソコンに慣れていない人だと画面と本の表示が違うとわからなくなってしまうかもしれません。可能な限り新しいバージョンの本を選ぶことでわかりやすく学習することができます。
リリースされたばかりのInDesign 2024で解説している書籍はありませんが、2022や2023とUIがほぼ同じであるため近年発売された書籍であれば問題なく学習することができます。
閲覧しやすい書籍版がおすすめ(電子書籍は読みにくい)
スマホやタブレットだと読みにくいのでおすすめは電子書籍より書籍版です。
電子書籍で読みたい場合はiPad Pro 12.9インチなど大きめのサイズのタブレットで読むのがおすすめです。
Webで学ぶ
Adobe公式サイトにInDesign入門として詳しく使い方が解説されたページが用意されています。
本でなくWebで学びたい場合はAdobe公式サイトの解説を読むのもおすすめです。
当サイトでもInDesignの基本的な使い方を解説しています。
InDesignを安く購入する方法
InDesignの料金は次のとおりです。
InDesign単品プラン | 料金 |
---|---|
月間プラン | 4,980円/月 |
年間プラン(月々) | 2,890円/月 |
年間プラン(一括) | 34,680円/年 |
InDesignのみでOKっていう人は上記の単体プランを選べばいいのですが、他にもPhotoshopやIllustratorが必須となることが多いので全ソフト利用できてコスパの良いAdobe Creative Cloudコンプリートプランを購入するのがおすすめ。
コンプリートプランならPhotoshopやIllustratorを含む全45種のAdobe CCソフトが利用可能になります。
コンプリートプランを安く購入する方法については以下の記事をご覧ください。
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