名刺デザインしたいけど、どうしたらいいのかわからない…
初心者にもおすすめできる名刺制作ですが、慣れていないとシンプルな名刺でもいい感じに作ることができません。
本記事では初心者にもわかりやすいように名刺を作るためのコツや意識すべきポイントを詳しく解説します。
また、さまざまなテイストの名刺デザイン案もたくさん紹介するのでクライアントに提案する名刺デザインのアイディア出しの参考にもご利用ください。
名刺デザインの考え方と抑えておくべきポイント
最初に名刺をデザインする上で必要となる考え方と、抑えておきたいポイントを解説します。
名刺デザインは伝えたい印象を意識して作る
人は第一印象が大事と言われますが、名刺のデザインも同じです。
初対面の人に渡す名刺のデザインによって相手に与える印象が大きく変化します。
デザインテイスト | 与える印象例 |
---|---|
シンプル | 誠実、安心 |
高級感 | 洗練、上品 |
おしゃれ | 流行、好奇心 |
かわいい | 優しさ、華やかさ |
上表はあくまでも一例ですが、デザインによって意図した印象を与えることすら可能になります。
そのため与えたい印象に応じて名刺のデザインテイストを決定する必要があります。
お堅い業種にも関わらず「おしゃれ」「かわいい」テイストの名刺デザインにしてしまうと会社のイメージを損なう原因になってしまいます。
相手に与える印象は色によっても大きく変化します。
名刺制作はAdobe Illustratorで行おう
(単に自分用の簡易名刺を作りたいだけであればExcel/WordやPhotoshopでも作ることができます。
しかし、名刺制作を仕事として行いたいのであればベクター形式で作成できるAdobe Illustrator一択。
プロは皆Illustratorで作っています。
Adobe Illustratorが欲しい人はAdobe CCを安く買う方法を参考にしてみてください。
見やすいデザインに欠かせないポイント
名刺は情報量が少なく、シンプルなデザインなので初心者向けではありますが抑えておくべきポイントがいくつかあります。
- しっかり揃える
- 情報をまとめる
- 情報に優先順位をつける
- 余白や対比を使い強調する
- 基本を守ってレイアウトを作成する
- 視線誘導を意識して流れを意識する
- 可読性、判別性の高いフォント選定
- 与えたい印象に適したフォント選定
- 読みやすい適切な文字サイズを使用
- 見やすさ、伝わりやすさを意識した配色
これら10つのポイントを抑えておくだけでビジネスに利用できる名刺デザインが作成できます。
それぞれのポイントの詳細について、実例を上げながら詳しく解説していきます。
シンプルな名刺デザインのコツとレイアウトの基本
かっこいい名刺やかわいい名刺を作る前にシンプルイズベストな名刺を作ってみましょう。
世の中の企業の9割以上がシンプルな名刺デザインを採用しています。
個性的でアーティスティックなデザインより「ビジネスカード」としての役割を果たせるデザインが求められているという点はしっかりと意識しておきましょう。
シンプルな名刺デザインは以下の3つを抑えておくだけでOK
順番に解説します。
名刺デザインに欠かせない基本4原則
名刺に限らず、あらゆるデザインに共通するデザイン基本四原則はしっかりと抑えておきましょう。
- 【近接】グループ化による情報整理で理解しやすく
- 【整列】要素を整列させて統一感のあるデザインに
- 【反復】同じ要素を繰り返す事で視認性・可読性UP
- 【対比】コントラストにより伝えたいものを強調
情報整理に欠かせない近接と整列
上図は情報の距離感と、ルールに基づいた整列が行われていない場合の比較です。
同じ情報を含んだ名刺でも、近接と整列による情報整理が行われていないと視線が定まらず読みにくい名刺になってしまいます。
情報を細かくグループ分けし、「大グループ」「小グループ」等のまとまりごとに距離感を調整してあげることでぱっと見ただけで伝わるデザインに仕上がります。
反復と対比で伝わりやすさUP
上図のようにルールが統一されていないものは読みにくいです。
- 色
- フォント
- 文字サイズ
- 余白(マージン)
- アイコンのテイスト
一定のルールに基づいてデザインすることで情報のまとまりがわかりやすくなります。
そして、目立たせたい情報は一部に絞って大きくしたり色を付けて強調しましょう。
すべての箇所を強調しようとして大きくすると逆にすべて目立たなくなってしまいます。
名刺デザインで使える余白のデザイン効果
デザインにおいてもっとも重要とされる「余白」
余白を利用することによって以下の効果を取り入れることができます。
- 強調効果
- 印象操作
- 見やすさ向上
- 情報の整理
- 見栄え向上
周囲に余白があるだけでも見やすく、見栄えが良くなりますが余白は情報整理の面でも重要です。
前述した四原則の一つ「近接」は近くにあるものと、離れているものの余白の距離感に応じてグループ分けされます。余白をしっかりと確保し、瞬時に伝わるような情報整理を行いましょう。
パッとしないデザインも余白を取り入れるだけで伝わりやすく、おしゃれになるので余白を意識したレイアウトにしてみてください。
名刺の名前や会社名を目立たせたい場合は周辺に大きな余白を取るだけで目を引くようになりますよ。
名刺デザインで抑えておきたい配色のコツ
デザインで重要なのはレイアウトだけではありません。
白黒だと良いデザインでも、配色を誤ると上図のように致命的なことになってしまいます。
- 色を増やしすぎない
- 色の対比を意識する
- 与えたい印象を意識する
配色で気をつけるポイントはいくつもありますが、上記3つを守っておけばシンプルで見やすい名刺デザインを作ることができます。
名刺の文字サイズについて
名刺は用紙サイズが小さいため、文字サイズも小さくなりがちです。
しかし、あまり小さくしてしまうと文字が読みにくくなってしまうためフォントサイズには注意してください。
名刺の文字サイズの参考値を掲載しておきますので目安にしてみてください。
用途 | pt | Q |
---|---|---|
会社名や名前 | 18pt | 25Q |
住所や電話番号 | 8pt | 11Q |
最小値 | 6pt | 8.5Q |
名刺に使用する文字サイズは渡す相手の「年齢」でも変わってきます。名刺を渡す相手が高齢者が多いのであれば文字サイズは上記のものより少し大きめにしておくと良いでしょう。
読みやすい、読める文字サイズは「配色」や「フォント」などによっても異なります。一定以上の大きさがあれば読めるというわけではないので注意してください。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
かっこいい名刺デザインを作るコツとアイディア
かっこいい印象を与える名刺デザインを作るためのコツとアイディアを紹介します。
シンプルでかっこいいミニマルデザイン
シンプルながらもスマートな印象を与えるミニマルデザインの名刺。
文字だけだとシンプルすぎてかっこいい感じが出ないので、線や長方形を部分的に取り入れてみましょう。
- 装飾は控えめに
- 余白をかなり多くとる
- 配色は2色以内に抑える
- ダークトーンの色を使う
スタイリッシュなデザイン
シンプルな図形の組み合わせで作るスタイリッシュなデザイン。
スタイリッシュなデザインは可読性はあまり高くないが、バランスが取れていてかっこよく見えやすい。
ファッションブランドやデザイナーなどに向いているデザインタイプです。
- モノトーンやネイビー系の色
- ブロックごとに情報をまとめる
- 細身のスッキリとした書体
ブレイクスルーデザイン
グラデーションのかかったライトブルーの曲線やシェイプで躍動感を出すデザイン。
ビジネス感を出しつつも、かっこいい感じを出したいときに役立つスタイルです。
- 明度の高い寒色
- 躍動感のある曲線や斜め線
- グラデーションで変化を出す
- 全面に出さずに片側のみに配置
おしゃれな名刺デザインを作るコツとアイディア
おしゃれな名刺デザインを作るコツとアイディアを紹介します。
カラフルで躍動感のある図形デザイン
基本図形の線や円をちりばめてにぎやかな印象を出す名刺デザイン。
ちりばめられた図形がごちゃごちゃしないように多めに余白をとり、色数を3色程度に抑えるとおしゃれな印象になります。
- ランダムな大きさのシェイプ
- 彩度を抑えたカラー
- 名刺情報部に大きな余白
にぎやかな幾何学模様
さまざまな幾何学模様をカラフルに配置したおしゃれな名刺デザイン。
シンプルな幾何学模様はかっこいい印象になりますが、ポップな印象を加えることでおしゃれな雰囲気になります。
エレガントで高級感のある名刺デザイン
高級感や重厚感を感じる名刺デザイン。
黒に近い深い色やゴールドを使って上品な印象を与えます。
通常の印刷では金色は出ませんが、特殊なゴールド印刷や高級紙を利用すると名刺の高級感が増します。
- 明朝体やセリフ体
- ブラウンやネイビー
- ダークトーン
- グラデーション
- 高級紙や特殊インクで質感を上げる
かわいい感じの名刺デザインを作るコツとアイディア
ビジネスでは使いにくいものの、個人名刺では使えそうなかわいいデザインにするためのコツや方法を解説します。
アーティスティックな名刺デザイン
イラストレーターやアーティストに向いてそうな芸術家っぽい雰囲気のデザイン。
以下のような表現を取り入れるとアーティスティックな雰囲気が出ます。
- ブラシの質感
- 手書きのイラスト
- ぐにゃぐにゃシェイプ
- やわらかい印象のフォント
- パステルカラーや補色の組み合わせ
ポップなデザイン
「明るい」「元気」「楽しい」といった印象を与えるポップテイストの名刺。
ポップカラーは子供向けのビジネスにも向いているカラーリングです。
ポップ風にするためのコツは以下のとおり。
- 明るい色
- ブライトトーン
- トーンを揃えた3色以上のカラー
- 太字で誘目性の高いフォント
ナチュラルデザイン
自然な感じ、素朴な感じが魅力なナチュラルデザインを取り入れるとかわいらしい印象になります。
ナチュラルデザインは以下の要素を取り入れるとそれっぽくなりますよ。
- 明るい色
- アースカラー
- 広めの余白
- 有機的な形状
- 手書きのイラスト(植物など)
- 手書きフォントや筆記体
自分で名刺を作ってみよう!
最初に解説したように、ビジネス用の名刺であれば名刺は個性をガッツリ出すよりも必要な情報を綺麗にまとめた超シンプルな名刺がおすすめです。
特に装飾を行わなくても必要な情報を揃えるだけで名刺は作れますので実際に作ってみてください。
名刺作成の流れと具体的な手順
名刺のデザインイメージができたら実際に名刺を作成してみましょう。
やることはとてもかんたん。
- 名刺に必要な情報をまとめる
- 名刺のデザインを考える
- Illustratorで名刺フォーマットを作成
- 名前や住所などの文字を入力
- 必要に応じて画像やQRコードを追加
- 印刷会社する入稿するためのデータに変換
大雑把に説明するとこのような流れになります。
初めてIllustratorを使う人でも問題なく作業を行えると思います。
Illustratorには7日間フル機能が使える体験版もあるので体験版で名刺作りしてみるのもおすすめです。
ネット印刷「ラクスル」を使えばIllustratorで作った本格的な名刺がフルカラー100枚 499円で作れるので是非挑戦してみてください。
本記事の名刺デザインは日々追加していきます
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コメント
コメント一覧 (1件)
名刺を自分でデザインしてみたいと思っていたのでとても勉強になりました。
Illustratorの体験版使って試してみましたがちゃんと作れました。
ありがとうございました。