デザイン業をやっていると誰もが経験する、あいまいなふわっとしたリクエスト
下記のようなあいまいな要望にどう答えていいか迷ったこと、ありますよね。
- 可愛くして
- おしゃれにして
- かっこよくして
- 高級感を出して
- ナチュラルな感じに
- カジュアルな感じに
- ビジネスでいい感じに
このような具体的でないリクエストに対して自分なりにデザインしてみたら「そうじゃない」と言われたり、「もっとオシャレにして」なんて言われてしまったり…
先日ソシムより出版された『可愛くしてください!ふわっとしたデザインリクエストに応える本』を携えておくだけでこれらの要望にバッチリ対応できるようになります。
ただのデザインの参考書としてだけでなく、デザインの勉強にも業務にも役立つ良書だったので詳しく紹介していきますね。
想像するイメージは人それぞれ、本で具体的なイメージを共有しよう

かわいい、おしゃれ、かっこいい等のあいまいな言葉、よく使われますが自分なりに作ったものが相手のイメージしたものとは限りません。
曖昧なイメージを具体的なイメージにして提案することで「思っていたのと違う」というすれ違いを解消することが可能になります。
『可愛くしてください!ふわっとしたデザインリクエストに応える本』では複数のデザインテイストをイメージごとに具体例を掲載してくれているのでクライアントが求めるデザインを探るのに最適。
- 目次わけされているので探しやすい
- 色、モチーフ、フォントを紹介
- もう少し○○してほしいにも対応
ふわっとイメージで目次わけされているので使いやすい
- かわいいデザイン
- おしゃれなデザイン
- 高級感のあるデザイン
- ナチュラルなデザイン
- カジュアルなデザイン
- かっこいいデザイン
- ビジネスライクなデザイン
目次は上記の7種類の「大雑把なイメージ」で構成されています。
例えばその中の「高級感」のページを開けば下記のようにテイスト違いの具体例に分かれています。
- 粋な感じ
- リッチな感じ
- パーティー風
- クラシカルな感じ
- ハイクラスな感じ
大雑把なイメージを細分化することでより具体的なイメージに近づけることが可能。
粋な感じだとこんな感じ


色、モチーフ、フォントを紹介

「可愛い感じ」→「フェミニンな感じ」と索引を引くと上記のように作り方を解説してくれます。
- イメージの色をカラーコード付きで紹介
- モチーフやテクスチャーの紹介
- フォントの紹介
いたれりつくせりですね。ここで紹介されているフォントはすべてAdobe Fontsで利用可能なものなので全く同じフォントを使えばOK
赤字修正「もっと○○してください」にも対応
いざ作成したデザインをクライアントに見せた際に言われる下記のような赤字修正、あるあるですよね。
- もう少し華やかに
- もう少し大人っぽく
- もう少しクールに
- もう少し楽しそうに
- もう少し重厚感出して
- もう少し上品な印象に
- もう少し動き出して
- もう少し季節感出して
- もう少し気楽な感じに
- もう少し安定感出して
- もう少し特別感を出して
- もう少し開放感を出して
- もう少しユニセックスに
このような要望に対処するためのコツもバッチリ記載されています。
例えば「もう少し動きを出してほしい」では実際の具体例とともに解決アイディアをBeforeAfterで紹介してくれています。
- 要素の一部を見切れさせる
- 文字のジャンプ率を上げてメリハリUP
- 対角線上に要素を配置して動きと安定感を両立
クライアントの要望に答えるコツがわかりやすく解説されているので初心者デザイナーは見るだけでも参考になるレベル。
曖昧なデザインイメージ攻略のコツ

デザインで重要になるのは「曖昧なイメージの実現」だけではありません。
- ターゲット
- トレンド
- シーン
これらの要素によってデザインを変化させていく必要があります。
季節やイベントものはイメージカラーを取り入れるとイメージとの乖離を防ぎやすくなります。

ターゲットによって刺さるデザインは異なる
小さな子供とお年寄りでは興味を引くデザインやかわいい、かっこいいといったふわっとイメージは異なります。
男性と女性、趣味とビジネス、興味の無い人向け、などなど…誰に伝えたいものなのかによってデザインを変えるのは重要。
単純にクライアントが好きなデザインではなく、そのデザインの「目的」を考えましょう。

トレンドによってイメージは変わる
90年代の「かわいい」「おしゃれ」と2020年の「かわいい」「おしゃれ」は全くの別物ですよね。
共通する部分はあるものの、現在のトレンドを意識して取り入れていくことは非常に重要。
ターゲットによってはあえて古いデザインを使うということも選択肢に入りますが、基本的にはトレンドを抑えたデザインのほうが洗練された印象を与えるのでトレンドは抑えておきたいところ。
本書は発売したばかりで、デザインのプロフェッショナルが作成した最新のデザインなのでトレンドの参考にもなりますよ。
シーンによるデザインも重要
店頭のポスターと駅のポスターでは役割が大きく異なります。
雑誌広告と街頭広告、Web広告と店頭広告…使うシーンに応じて最適なデザインは異なります。
「街頭広告なので遠目からでも目立つ感じにする」など、利用シーンをよく考えておくことも重要。
色や心理学はイメージを伝えるのに適した手段
曖昧なデザインイメージを形にするには可愛くしてください!ふわっとしたデザインリクエストに応える本で学ぶの一番ですが、色彩効果をしっかり理解しておくことで「なぜその色を選んだのか」答えることができるので説得力が増しますよ。
色による心理効果
色には視覚的なイメージだけではなく、五感にまで作用する力があります。
色彩心理学は広告には欠かせないデザインスキルの一つ。
効果的なデザインを行えるよう、概要だけでも覚えておくと役立ちますので下記の記事を参考にしてみてください。

デザインに使える心理学
デザインに使える心理学は色だけではありません。
イメージ通りのデザインというだけでなく、広告効果のあるデザインという本来の役目を果たすことも非常に重要。
実はデザインに取り入れられる心理学にはクレショフ効果、アンカリング効果など有名なものからマイナーなものまで多数存在しています。

「可愛くしてください」「かっこよくしてください」に答えられるデザインの引き出しを増やそう

まったくデザインに触れてこなかった人がいきなり良いデザインをするのは無理ですよね。ソフトが使えても良いデザインを作ることはできません。
たくさんのデザインを見て学ぶというのは初心者もベテランも同じ、常に勉強が必要です。たくさんのデザインを作ったり見ることでどんどんデザインのひきだしが増えていきます。
初心者もベテランも重要なデザインのひきだし
「可愛くしてください」って言われたら過去に作ったものや今までに見た可愛い系のデザインから要素を取り入れデザインしています。良い作品が作れるデザイナーはデザインのひきだしが多いんですよね。
語彙が多い作家のようにデザイナーはデザインのひきだしを増やしていく必要があります。
今回紹介した可愛くしてください!ふわっとしたデザインリクエストに応える本はデザインのひきだしを増やしてくれる良書です。ベテランでもデザインのかてになることでしょう。
初心者は見ただけではデザインのひきだしが増えない
初心者は良いデザインを見ただけではデザインのひきだしを増やすことはできません。
実際に作ってみることも大事ですが「なぜこのデザインにしたのか」という部分を理解する必要があります。
本書では具体的に「おしゃれ」を細分化し「アーティスティックな感じ」にするにはどうすればいいのか解説してくれているので参考書としてだけではなく教科書としても機能するので持っておいて損はないかなという印象。
可愛くしてください!ふわっとしたデザインリクエストに応える本は口コミも良好
まだ発売して間もないですが書店からは売り切れ続出、ネットの口コミ評価もめちゃくちゃ良いです。
よくある口コミは下記の通り
- 迷走しがちなイメージを固めるのに便利
- クライアントや第三者とのイメージの擦り合わせにかなり便利
- 文字やあしらいの形に悩んだ時にどんな形にしたらどんな印象になるか分かるので参考になる
この記事執筆時のアマゾン評価は100%★5と高評価。個人的な感想としてもこの口コミ評価は納得ですね。
まぁフルカラーで参考例たくさん、全223ページとボリュームもあるのでまず後悔はしません。

気になった方はぜひ読んでみてくださいね!
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