「Webデザイナーのフリーランスになりたい」という人が増えています。
実際に夢を叶えてフリーランスとして独立した人は多くいますが、その途中で挫折した人やフリーランスになって失敗している人も少なくありません。
本記事では私が会社を辞めてフリーランスになり、最終的に法人化した経験をもとに以下の内容についてわかりやすく解説します。
- フリーランスはどうやって仕事を受注するの?
- フリーランスとして独立するのが厳しいのはなぜ?
- 仕事に困らないようにするためにはどうすればいい?
フリーランスになる以前にそもそもWebデザイナーってどうなの?なりたいけど迷っているという方は以下の記事を参考にしてみてください。
フリーランスWebデザイナーの仕事の取り方 6選

Webデザインを学んだり、会社員としてスキルを身に着けたら実際にその技術をお金にするためにはどうしたらいいのか?
副業やフリーランスとして仕事を受注するための具体的な方法を解説します。
能動的な営業活動
以前は直接訪問したり電話する飛び込み営業もありましたが、リモートワークや面会を避ける時勢柄、直接会いたがるのは迷惑になりますので控えたほうが良いでしょう。
現在は企業のお問い合わせフォームやSNSに直接メールやDMを送る方法が一般的です。
営業活動用のテンプレートを掲載しますので参考にしてみてください。
営業メール テンプレート
株式会社○○ 御中
突然のご連絡失礼いたします。
(住所)在住のWebデザイナー(本名)と申します。
この度、御社のホームページを拝見し、(仕事内容)でお力添え出来ればと思いご連絡させていただきました。
私は現在フリーランスのWebデザイナーとして、(仕事内容)を中心にデザイン業を行っております。
(アピールポイント)
以下に私のプロフィールと制作費の目安を記載いたします。
ご多忙の中恐れ入りますが、お手すきの際にご一読いただければ幸いです。
〜〜〜以下にプロフィールを記載〜〜〜
● 経歴
● スキル
● ポートフォリオ(URL)
● 制作費の目安
● 稼働可能時間の目安
何卒ご確認ご検討の程よろしくお願い申し上げます。
名前 / 住所 / 電話番号 / メールアドレス
多くの企業は、飛び込み営業メールには採用の見込みが強くない限り返信は行いません。
「少し気になるけど知りたい内容が記載されていない」という場合は返信で質問せずにメールを破棄されておしまいです。
チャンスを逃さないためにも以下の内容はしっかり記載しておきましょう。
- ポートフォリオ(実際に作ったものを知りたい)
- 制作費の目安(どれくらいの費用がかかるのか知りたい)
- 稼働可能時間の目安(依頼したい作業が可能か知りたい)
SNSやYouTubeでの受動的な仕事募集
SNS、YouTube、ブログ、コミュニティで情報発信をしている人は、積極的に仕事を募集していなくても「仕事を引き受けてください」と依頼が舞い込みます。
インフルエンサーと呼ばれるほどの人気者になれば依頼案件のみで自分から仕事を探す必要はなくなります。
しかし相手側から仕事を依頼してくるのはハードルが高く、以下のような条件を満たさない場合は難しいのが現状です。
- ブログのアクセスが多い
- フォロワーがすごく多い
- ポートフォリオが優れている
SNSのプロフィールに「仕事募集中/ご依頼はDMまで」と記載したり、仕事募集している旨の投稿を行うのも有効です。
友人や企業からの仕事紹介
安定した良い仕事を得るのにもっとも適している方法です。
クラウドソーシングやネット経由での仕事は受注につながらないことも多いですが、紹介案件ははじめから信用があり受注に繋がりやすいのが特徴。
良い仕事をして評判が上がってくると、多くの人から紹介してもらえるようになりますよ。
- 友人に仕事内容を話している
- 即レス(メールの返信が早い)
- 地域のコミュニティーに参加している
- しっかりお礼をしている(折り菓子など)
- クライアントに喜ばれる仕事をしている
仕事の成果や、リアルでの交流から仕事につながることも多いのでコミュニケーションは大事にしましょう。
Webデザインスクール経由で案件受注

スクールによっては受講生・卒業生を対象とした仕事案件サイトが用意されています。
スクールを卒業している場合でも、スクール側から卒業生向けに仕事の案件募集のメールを送ってきてくれます。
Webデザインスクールを卒業していきなりフリーランスになるというパターンだとスクールからの紹介がメインになる場合が多いかもしれません。
もしスクールから紹介を受けられない場合は1ヶ月だけの受講で卒業後も案件紹介があるデジハリのAdobeマスター講座がおすすめです。
Adobeコンプリートプランを安く購入できるので仮に案件紹介がなかったとしても受講価値あり。
私も毎年この講座から学割でAdobeソフト買っています。
クラウドソーシングで案件を探す
近年では一番イメージしやすい仕事の探し方であるクラウドソーシング。
サイト上に掲載された案件から好きなものを選んで募集、発注者に承認されれば仕事開始となります。
主なクラウドソーシングサイトは以下のとおり。
クラウドソーシングは利用者が多く競争が激しいため、仕事が取りにくく単価が低くなってしまい消耗戦になるのでフリーランスとしてクラウドソーシングをメインとするのは少し厳しいところがあります。
クライアントソーシング内の評価が高まりクライアント側から依頼をもらえるレベルになれば良い仕事を取れますが、難易度はかなり高めです。
しかし、クラウドソーシングはかなり気軽に始められるので実績作りやちょっとした副業におすすめです。
フリーランスエージェントに仕事を探してもらう

フリーランス向けのマッチングサービスはクラウドソーシングとは違い、エージェントがあなたに向いている仕事を探してきてくれます。就職エージェントのフリーランス版ですね。
サポートも手厚くエージェントがあなたに合った仕事を探してきてくれるのでとりあえず無料登録してみてはいかがでしょうか?
報酬発生時に手数料が20%程度発生するのが痛いですが、仕事を探す手間がはぶけるし単価高めな案件も多いので収入は安定しやすいです。
フリーランスエージェントを一度も使ったことのない人はミッドワークスがおすすめ。
ITエンジニア・Webデザイナーに特化しており、フリーランスとして独立間もない人を手厚くサポートしてくれます。
- スキルや希望に合わせた最適な案件を提案
- クライアント側との契約や条件交渉等を代行
- 案件が途切れた場合の補償もあり
ミッドワークス以外だと「レバテック」や「クラウドテック」などがあります。
レバテックは高単価案件が豊富ですが、常駐型の案件が多くなっているので上級者向け。
クラウドテックは在宅ワークが可能なリモートワーク案件が多めですが単価は低めなので働き方を重視する人向けですね。
Webデザイン業界でフリーランスとして独立するのが厳しい理由

フリーランスは信用問題などもあり、大手とは契約ができず安定した仕事を取るのが難しくなっています。
普通にWebデザイナーの求人が少なくなり就職するのも厳しくなってきていますが、フリーランスはもっと大変。
仕事の単価が低い
フリーランスWebデザイナーが受注できる仕事の多くは単価が低めに設定されています。もちろん案件によって単価は大きく異なりますが、Web業界全体で見た際の単価はけして高くありません。
単価が低くなる原因としてはフリーランスでは「下請け案件が多くなる」「買い叩かれやすい」「手数料を多く取られる」といった問題があります。
「やりたくない仕事でもやらざるを得ない」「低単価でもいいから仕事がほしい」そんな状態から抜け出さない限りはフリーランスで安定した生活を得るのは難しいでしょう。
デザイン業で稼ぐフリーランスの年収は低い?

会社勤めのWebデザイナーの平均年収は420~450万程度ですが、フリーランスになると530~650万円(案件サイトの平均 参考値)と上昇する傾向があります。
しかし、年収1000万超えがたくさんいるものの、年収200万に満たないフリーランスも数多く存在しています。
さらにフリーランスは会社員と違い、健康保険、厚生年金保険、労災保険の会社負担がないため自己負担分が大きくなります。もちろんボーナスも期末賞与もありません。

基本的に仕事量に比例して年収が上がるので、休みを取れずに深夜まで働き続けているフリーランスも少なくありません。休みが無い代わりに年収が高いということもあります。
「フリーランスWebデザイナーで月収100万円」は個人でも可能な範囲ですが、身を粉にして働いている場合も多く継続的に稼ぎ続けるのは厳しいです。
継続案件がなければ常に営業し続けなければならない

日々の制作業務だけでも忙しいのに、収入確保のための仕事も確保する必要があります。
固定クライアントから定期的に案件をいただけるようになれば安定しますが、単発の案件がメインだと常に営業をし続けなければなりません。
時間的にも精神的にも負担が大きいので「継続案件」や「紹介案件」が増えるような質の高い仕事をする必要もでてきます。
生活に余裕がないとクリエイティブな作業ができない

冒頭で解説してきたようにWebデザインの仕事はかんたんには受注できないし、安定もしません。
生活に余裕がなかったり、先行きに不安がある状態でクリエイティブな作業はうまくいかず焦りがちになります。
生活防衛資金が2年分くらいあると落ち着いて無理のない仕事をすることができるようになるので「貯金が溜まってから」「まずは副業で始める」ことをおすすめします。
フリーランスとして独立するために身に着けたい3つの力

Webデザイナーとして仕事をするためのスキルとは別に、フリーランスとして安定した仕事を得るために身に着けておきたいものを3つご紹介します。
フリーランスとして働いていくためには、当然のように身につけているWebデザインスキルよりも「仕事を取るためのスキル」のほうが重要です。
基本的なWebデザインスキルの学び方は以下の記事をご覧ください。

マーケティングスキル
自分を売り込みたい企業にはどのような人材が求められているのか?どうしたら採用してもらえるのか?マーケティング戦略をもって臨むことが重要です。
自分を売り込むためのデザイン(ポートフォリオ)を充実させたり、SNSやYouTubeでの情報発信によって知名度をあげることによって仕事の数や単価が向上します。
デザイナーとしてのブランド価値や情報発信能力を上げて効率よく仕事を得るスキルは仕事を探す上で役立ちます。
営業スキル
マーケティングが戦略なら、セールスは戦術です。問い合わせがたくさんきたところで営業力がなければ仕事に繋がりません。
「この人に仕事を頼みたい」と思わせるためのセールストークや関係性を維持するためのコミュニケーション能力などが必要になります。
デザインにおいて重要な「ヒアリング」も営業力を身につけることで向上するのでフリーランスになるのであれば重視したいスキルの一つです。
経営スキル
フリーランスとはいえ、事業を運営していく経営者です。
単に個々の案件を淡々とこなしていくというだけでなく将来を見据え、俯瞰的に物事を見る力や、論理的に物事を考える力、大きな決断力など経営者視点での思考が必要となります。
Webデザイナーであれば売上件数や経費の件数も少ないため自分で青色申告を行う人も多いでしょうし、経営状態を把握するためにも最低限の簿記の知識もあると良いですね。
フリーランス生活のメリットとデメリット
人気のフリーランスですが、良い面だけでなく悪い面も多くあります。
フリーランスのメリットとデメリットをまとめて紹介します。
在宅ワークで出勤が必要ない
業務委託や常駐型の案件だと出勤が必要な場合もありますが、基本的には自宅で作業できるので通勤が必要ありません。
通勤時間が片道30分だとして年間250時間。時給1500円で計算すると375,000円もお得。さらに出勤がないと「着替え」「化粧」「荷物の用意」なども不要になるので実質的な浮き時間はもっと多くなります。
しかし、決められた時間の出社がなくなることで生活リズムが乱れやすくなるデメリットがあります。
自分に決定権がある

雇われ社員だと、上司に言われるがままに仕事をしなければいけませんがフリーランスであれば行うべき仕事や優先順位を自由に決定することができます。
クライアントの指示に従わざるを得ないというのは同じですが、仕事に困らなくなればクライアントを選ぶことができるので自由度が広がりストレスが大きく軽減されます。
自分に決定権があるのは人生の満足感を大きく向上させてくれるメリットがあります。
しかし、すべて自己責任となり上司や会社が責任をとってくれることはありません。
自由に時間が使える
気分が乗らない日は仕事をせずに遊びに出かけるのも、ふらっと海外に出かけるのも自由。フリーランスであれば時間や場所にとらわれず自由に時間を使うことができます。
深夜であろうがお正月だろうが自分の好きな時間に作業を行えますが、労働基準法が適用されないので自分の労働時間は自分でしっかり管理し、体調に気をつける必要があります。
サボり過ぎにも働きすぎにも注意する必要があります。
将来の希望と不安
「年収1,000万円以上になって海外でノマド生活したい」「自分の仕事を多くの人に評価してもらいたい」など夢や希望がたくさんある一方で、フリーランスには常に不安がつきまといます。
毎日出社していれば自動的に仕事がもらえる会社員と違い、フリーランスは自分で仕事を取りに行く必要があります。
また、Webデザイナーのフリーランスは先行きが不透明な職種です。
- 今の仕事が打ち切られたらどうしよう?
- 仕事がとれなかったらどうしよう?
- 病気になったら仕事が間に合わない
- もし失敗したらどうしよう?
夢がある一方で、先行き不安におちいる人も多いので楽観性やストレス耐性も必要です。
しかし、仕事を安定して受注できるようになったり貯金額が増えてくると将来の不安が大きく軽減されます。

フリーランスは厳しいけど良い面も多いです

厳しい現実を理解した上で無理せずに働いていきましょう!
コメント
コメント一覧 (1件)
わかります、フリーランス厳しいですよね。
確かに仕事は取れるんですが、買い叩かれやすいし、今の仕事しながら次の仕事を探したり、過去の案件のトラブル時にも一人で対応しなきゃいけないので手が回らなくなることもあります。
単に”雇われない働き方”として一人で働くのは厳しいと思います。
私の周りでも労働者じゃなくて経営者として働くという意識がない人はフリーランスになっても長続きしないイメージがあります。