Adobeのプレミアシリーズには下記の3種類が存在します。
- Premiere Pro
- Premiere Rush
- Premiere Elements
これら3つのソフトの特徴と違いについて、具体的にどう違うのか?どう使い分ければいいのか解説します。
Premiere Pro・Rush・Elementsの違い一覧
比較項目 | Premiere Pro | Premiere Rush | Premiere Elements |
---|---|---|---|
機能性 | 多機能 | 簡易機能 | 簡易機能 |
利用環境 | パソコン | パソコン・スマホ | パソコン |
利用者層 | 初心者からプロまで | 初心者向け | 初心者向け |
仕事での利用 | 業界標準 | あまり使われない | まったく使われない |
価格 | 2,890円/月〜 | 1,078円/月〜 | 19,580円 |
プレミアシリーズ3種の大きな違いは表の通りです。
まずは3種類のソフトの特徴を解説します。
Premiere Proは動画編集の基本となる万能ソフト
Premiere Proは動画編集すべての基準となる業界標準のソフトで映画の制作にも使われています。
Premiere Proは「プロ」の名を冠していますが、動画編集を初めて行う初心者にも扱いやすいソフトなので多くのYouTuberも利用しています。
最安価格が月額2,890円と他のソフトより高くなっていますが、Premiere Rushが付属しているので実はお得になっています。
Premiere RushはスマホやiPadで編集できるのが魅力
Premiere Proをスマートフォンなどの小さな画面でも使いやすいUIにしたソフトがPremiere Rushです。
Premiere Proと比較すると機能が限定されますが、Rushの編集はPremiere Proに引き継ぐことができるので外出先や簡易編集としてRushを使うと便利です。
Premiere Rush単体での購入も可能です(月額 1,078円)
Premiere Elementsは超初心者向けのらくらくソフト
Premiere Elementsはプロしか使わない機能を排除し、初心者にもわかりやすいUIを追求したパソコン用動画編集ソフトです。
唯一の買い切り版として提供されていますが、アップデートができないのと仕事として使う業務利用に向かない点から利用者は少なめ。
シンプルな編集を行う場合やパソコンに慣れていない人におすすめです。
Premiere ProとPremiere Rushの違い
Premiere ProとRushの違いは簡単、Premiere Proの簡易版がPremierer Rush(プレミアラッシュ)です。
- 簡易編集向け
- Rushは価格が半額以下
- Rushは機能が大きく半減
どっちが良いかって言われたら間違いなくPremiere Pro
ProとRushを比較した際のRushのメリットは『安い』と『簡単』
単純に見たらPremiere ProはRushの上位互換です。
Premiere Rushのデメリット
Premiere Rushの目立った制限とデメリットは下記のとおり。
- Premiere Proの劣化版
- 保存先がクラウドのみ
- 書き出しがH.264のみ
- レイヤー上限が4つまで
- 解像度が最大 2160P
- エフェクトがプリセットのみ
- 最新のAI機能が使えない
動画編集したデータをパソコン本体に保存することができず、Adobeクラウドに保存することになるのが結構不便。
簡易的な編集であればPremiere Rushのみで完結しますが、調整レイヤーで細かい調整したりマスクで隠したりと細かい部分まで作り込もうと思ったらPremiere Proで作業する必要が出てきます。
クラウド保存はとても便利だけど直接保存という選択肢がないのは残念ですね
Premiere Rushのメリットは簡易性
Rushの大きなメリットは下記の3つ
- 機能が制限されているため操作が簡単
- スマホアプリからも簡単に編集可能
- 価格が安い
スマホだけで全行程を終わらせることができるのでパソコンを持っていない人に最適。
- スマホで撮影
- スマホで編集
- スマホでSNSに投稿
こんな風にスマホのみで完結させることも可能っていうのがRushの最大のポイント。
特にインスタやTikTokなどのSNS用のショートムービーの編集に適してるよ
Premiere Rushで出来ることはすべてPremiere Proで出来る
プレミアラッシュも動画編集ソフトとしての必要最低限の機能が揃っています。
- 調光
- 音調整
- トランジション
- レイヤー機能(4レイヤー)
最低限の機能が整っているとはいえ、Premiere Proと比較したら出来ることが圧倒的に少ないので使用している人は稀。
プレミアシリーズでどれを選べばいいか迷ったらPremiere Proにしておけば絶対に後悔しません。
ちなみに上位互換であるPremiere ProにはPremiere Rushも付属しています。
Premiere RushのファイルはProでも開ける
Premiere Rush 2019以降のバージョンではProとの連携が可能になっています。
方法は簡単
- Rushで「プロジェクトの同期」をON
- Proで「Premiere Rushプロジェクトを開く」
これによりRushで編集したデータをProにてリマップ、調整レイヤーカラーグレーディング、エフェクトなど複雑な処理が可能になります。
Proで開いたデータは自動的にドキュメントフォルダーに保存されます。
外出先ではRush、自宅ではProっていう使い分けもできます
Premiere Rushについてもっと詳しく知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。
Premiere ProとPremiere Elementの違い
Premiere ProとPremiere Elementsとの違いは『プロ向け』か『初心者向け』の違いです。
Premiere Elements 2024の特徴
Premiere Elementsの主な特徴は下記の通りです。
- 処理が遅い
- 初心者向けUI
- 買い切り版(永久ライセンス)
- アップデート不可(12,980円支払えば可能)
- プロ向けの機能無し
- 高度な編集機能は有していない
一度購入してしまえばサブスクではないので追加料金がかからないというメリットはあるものの、アップグレードができません。
毎年新しいバージョンがリリースされますがアップデートするたびに12,980円かかるため新機能などが欲しい場合は逆に高く付きます。
また、ソフトが非常に重いためパソコンのスペックはPremiere Pro以上のスペックが必要になってきます。
Premiere Elementsは初心者向け
Premiere Elementsは動画編集がはじめての人でもスムーズに編集を行えるようにした初心者向けのソフトになっています。
スマホアプリのようにボタンを押していくだけで動画編集が完了する機能があったり、行いたい作業がわかりやすいボタンとして表示されているので直感的な操作がしやすくなっています。
動画編集の基本機能はあるものの、操作方法がPremiere Proとは大きく異なりますので動画編集スキルを得たい場合はPremiere Proの操作を覚えたほうがのちのち役立ちます。
複雑な編集しない場合や、カット・テロップ挿入したいだけとかならPremiere Elementsだけでも十分です。
Premiere Elementsは買い切り版がある
Premiere ElementsはPremiere ProやRushと違い、ソフトを購入する買い切りタイプになっています。
Premiere Proには買い切りプランが無いため買い切りソフトとして欲しい場合にはElementsしか選択肢はありません。
Premiere Elementsの価格
- ソフト価格:19,580円
- アップグレード料金:12,980円
ソフトはそのまま使い続けることができますが、アップグレードは別料金のため新しいバージョンが出ても古いバージョンを使い続ける必要があります。
毎年新しいバージョンを使いたい場合は毎年12,980円支払う必要があります。
\Elementsはこちら/
Premiere Pro/Rush/Elementsの料金比較
料金はソフトの格に応じて異なります。
Premiereシリーズの料金比較(年間プラン)
年間プランで比較してみると下記のようになります。
ソフト名 | 年間料金 |
---|---|
Premiere Pro | 34,680円 |
Premiere Rush | 12,936円 |
Premiere Elements 2024 | 19,580円 |
Premiere Proと比較するとRushは半額以下になっていますが、Premiere ProにはRushが含まれているので両方使えます。
Premiereシリーズの料金比較(月々プラン)
月契約の月々プランの場合下記のようになります。
ソフト名 | 月額料金 |
---|---|
Premiere Pro | 4,980円 |
Premiere Rush | 1,078円 |
Premiere Elements 2024 | 19,580円 |
月々プランにすると割高になってしまうのでできれば年間プランで契約しておきましょう。
実は超お得なアカデミック版がある
学生じゃなくても社会人でも利用できるAdobe公認スクールを利用したアカデミックプランを使えば超お得にコンプリートプランを入手可能です。
わずか月額3,331円で全部のソフトが使えます。(年間39,980円)
Premiere ProとRushだけでなく、PhotoshopやIllustratorなどAdobe CC製品すべてが使える全部入りプランの事
オンライン講座がついて更にソフトも安く手に入るという知らないと確実に損する裏技。
Premiere Pro体験版は無料
Premiere ProもRushも1週間はタダで体験版を利用可能。
利用後にいきなり課金されるということもないので迷ったら体験版を利用してみるのが良いと思います。
\無料体験版あり!/
プレミアシリーズはどれを選ぶのが正解?
それぞれ特徴はありますが、私のおすすめはPremiere Pro一択もう完全に別格。
Premiere RushもElementsも初心者向けソフトということでスキルとしての価値はゼロ。
せっかく動画編集をするなら資産価値のあるスキルを得たほうが良いですよね。
Premiere Proの特に優れている3つのポイント
あらゆる面からみてPremiere Proを選んでおけば間違いないんですが、特におすすめできる3つのポイント。
Premiere Proの優れているポイント
- 業界標準
- 動作が軽く作業効率が良い
- AI機能で多くの作業を短縮可能
業界標準ということでプラグインやテンプレートも豊富だし無料教材も豊富なんで上記の3つのメリットだけでも価格分の元は取れちゃいますよ。
文字起こしによる自動テロップや不要箇所の自動カットなどのAI機能で面倒な作業を自動化することもできます。
Premiere RushやPremiere Elementsも必要最低限の機能があり、価格も安いので良さそうに見えるんですが以下のようなデメリットがあり結果的に作業時間が多くかかります。
- 書き出し速度が遅い
- ショートカット設定できないものがある
- 外部プラグインやテンプレートが使用できない
慣れちゃえばPremiere Proのほうが他のソフトより優れているのは間違いありません。
頻繁に動画編集を行う場合や、仕事として使うのであればPremiere Proを選ぶのがおすすめです。
その他Adobeの動画編集ソフト
Adobeの動画編集ソフトにはPremiere Pro以外にもAfter EffectsやAudition、Animateなど複数の動画関係ソフトが用意されています。
Premiere Proはすべての動画編集の母艦とも言えるソフトで、他のソフトとシームレスに連携することができます。
他のソフトで作成した素材をPremiere Proでつなぎ合わせるイメージで作り上げていくのでPremiere Proは複数ソフトを使用する場合にも必須となるソフトとなっています。
Premiere ProとAfter Effectsの違いについては上記の記事にて詳しく解説しています。
プレミアシリーズはProだけあれば十分ですが、Premiere ProとAfter Effectsは両方使う事が多いのでそれぞれの特徴をしっかり把握しておきましょう!
Premiere Proを安く買う方法について
Premiere Elementsと違って、ProとRushには買い切り版はなく、Amazonでの取り扱いもありません。
そのため公式サイトでの購入しか方法がありませんが安く買う方法も存在します。
Premiere Proを安く買う方法については下記に詳しく記載してありますので合わせてご覧ください。
After EffectsやPhotoshopを使いたいならコンプリートプラン
Premiere ProだけじゃなくAfter Effectsや別のAdobeソフトを利用したい場合は全てのソフトが利用できるアカデミックプランを利用したコンプリートプランがおすすめ。
コンプリートプランを利用すればPhotoshopで編集した画像を動画内に挿入したり、After Effectsで加工したエフェクトを合成するとか出来るようになるので応用性が大幅に向上しますよ!
コメント
コメント一覧 (2件)
Premiere Elementsの評価低すぎでは?
たしかにPremiere Proがサブスクとなって月3000円未満となってからは手が出しやすくなったけど(昔は買い切りでPremiereもPhotoshopもillustratorもそれぞれ10万円以上)
かといってエレメンツが「パソコン超初心者向け」「らくらくフォン」は言い過ぎ。
パソコン超初心者がエレメンツ使いこなせるわけない。エレメンツだって元々Premiere proからプロしか使わない機能を削っただけのもの(昔はPremiere LEと言って、ビデオキャプチャーボードの付属ソフトになったりしてた)。それにUlead Video Studioの影響もあってかビデオ編集初心者向けのインターフェースが加わったもの。
交通系youtuberの西園寺のスタッフ(西園寺君、たなか君、Zaki君)もみなエレメンツを使ってあれだけの作品を作っている。
yaku6deri様
ご指摘いただきましたとおりPremiere Elementsの評価を低く設定していた点については訂正いたします。
特に大げさな表記となっておりました「パソコン超初心者向け」「らくらくフォン」の部分など、内容については順次修正していきます。
コメントありがとうございました。