Photoshopで外部AIモデルが使用可能になりました。外部モデルとはAdobeが公開しているFirefly以外の「Google」や「Black Forest Labs」などの他社AIモデルのことです。
たとえば「Gemini 2.5 Flash Image(Nano Banana)」をPhotoshopで使うことで、Adobe Fireflyではできない画像編集や異なるテイストでの画像生成が可能になります。
本記事では生成モデルごとの特徴・モデルの変更手順(使い方)、プレミアム生成クレジットや外部モデルが使用可能なプランまでわかりやすく解説します。
PhotoshopでNano Bananaなどの外部モデルを使用する方法
PhotoshopでNano Bananaなどの外部モデルを使用する方法を解説します。
Photoshopベータ版をインストール&起動

Photoshopで外部モデル(Nano Banana等)は、現在のところベータ版でのみ利用可能です。ベータ版はPhotoshopが使用可能なプランに加入していれば無料で使用することができます。
Creative CloudアプリからPhotoshop(Beta)をインストールし、「開く」を押して起動します。
プロンプト入力画面で「モデル選択」

プロンプト入力画面で、右側にあるFi
ボタンをクリックすることで、画像生成のAIモデルを変更することができます。
ここではGemini 2.5(Nano Banana)を選択して、パートナーモデル(外部モデル)に切り替えます。

モデル設定を切り替えたあとは通常の生成塗りつぶしと同じように使用することができますが、Nano Bananaで大胆な編集を行う場合は「単語」ではなく変更したい内容を文章で指示したほうがうまくいきやすいです。
生成塗りつぶしを行うと外部モデルで生成される

生成した画像は通常の生成塗りつぶしと同じように別レイヤーとして独立した形で生成されるので削除して元に戻すのも容易です。
モデル設定を切り替えれば以後はずっとそのモデルで生成されますが、通常のAdobeモデルと違いプレミアム生成クレジットを消費されるので外部モデルの必要性が低い場合はAdobeモデルを使うのをおすすめします。
Nano Bananaは画像全体を選択し、文章プロンプトで指示をすると生成しやすい
以下は生成塗りつぶしのモデルをGemini 2.5(Nano Banana)に変更し、生成を行ったものです。
範囲選択は生成画像を挿入したい場所ではなく、画像全体を指定しています。

プロンプトも「画像をどのように変更したいか」を人に指示にするのと同じ感覚で文章で入力すればOK

生成された画像にさらに指示したい場合も同じように全範囲選択を行ったうえで、再び文章プロンプトを入力すれば生成された画像を元にして再生成してくれます。
現在は「生成塗りつぶし」のみが外部モデル使用の対象
Photoshopには「画像を生成」や「生成拡張」などの生成機能が搭載されていますが、現在のところは「生成塗りつぶし」のみが外部モデル利用の対象です。
ただし、生成拡張は拡張したい範囲を選択してから生成塗りつぶしを行うことで外部モデルで範囲拡張することができます。
画像単体で生成したい場合も全範囲指定した状態で生成塗りつぶしを行えば生成が可能です。
外部モデルが使えるPhotoshopプラン(プレミアム生成クレジット)
Nano Bananaをはじめとした外部モデルはプレミアム生成クレジットを消費します。
Photoshopが利用可能なプランに付与される生成クレジット
Photoshopでは生成塗りつぶしや生成拡張を使用する度に生成クレジットを消費しますが、それらは通常の生成クレジットです。
本記事で解説している「外部モデル」を利用する場合はプレミアム生成クレジットを消費します。
項目 | Photoshop 単体プラン/フォトプラン | Creative Cloud Standard | Creative Cloud Pro |
---|---|---|---|
標準生成 AI 生成塗りつぶし/画像を生成/生成ベクターなど | クレジット/月 | 25クレジット/月 | 25無制限 |
プレミアム生成 AI 動画生成、Premiere 生成延長、音声翻訳など | 利用不可 | 利用不可 | クレジット/月 (5 秒動画×40 本相当) | 4,000
外部AIモデル利用 OpenAI GPT / Google Imagen / Veo / Flux | 利用不可 | 利用不可 | 利用可 |
プレミアム生成クレジットはCreative Cloud Proプラン(旧コンプリートプラン)にのみ付属しています。
全ソフトが使用可能なCreative CloudにはStandardとProの2種類がありますが、通常の生成AIが使い放題のProプランに限りには外部モデルを含む「プレミアム生成機能」に利用可能な生成クレジットが毎月4,000付与されます。
生成クレジットについては以下の記事をご覧ください。

外部モデルの画像生成で使用するプレミアム生成クレジット数
画像モデル | 生成1回あたりの使用数 |
---|---|
Gemini 2.5 Flash Image(Nano Banana) | 20 |
Imagen 3 および Imagen 4 | 20 |
GPT Image | 60 |
Flux 1.1 Pro、Flux.1 Kontext、Pro、MAX | 10 |
Flux 1.1 Pro Ultra | 20 |
Ideogram 3.0 Turbo | 10 |
Ideogram 3.0 | 20 |
Runway Gen-4(720P) | 20 |
Runway Frames および Runway Gen-4(1080p) | 40 |
外部モデルを用いた生成は1回につき上記のクレジットを消費します。Creative Cloud Proの場合、一月に4,000クレジットあるため、Nano Bananaであれば200回使用が可能ということになります。
生成クレジットの使用料は新しいバージョンが出た際など、定期的に変更されるため公式サイトの最新の情報を参考にしてください。アドビ製品におけるパートナーモデル
今後も外部モデルは増えていくのでCreative Cloud Proプランの価値が上がっていきそうですね。

外部生成AIモデル(Nano bananaやFlux Kontext Pro)の特徴やでできること
背景差し替え・環境置換(風景/室内/舞台)

プロンプト1つで画像の背景を一括で変更することができます。
- 季節を変更する
- 天気を変更する
- 時代を変更する
- 場所を変更する
- 他の国に変更する
上図のように背景丸ごと変更や環境の大幅な変更にはNano Bananaが適しています。
しかし、部分的な置き換えであれば、範囲選択してFireflyモデルを使ったほうが使いやすい場合も多いです。


小物追加・ディテール盛り(小道具/装飾/背景オブジェクト)

構図、光、影などを維持したまま小物などを自然に追加することができます。
小物の追加はFireflyで範囲選択した部分にピンポイント生成してもある程度高品質な生成が可能ですが、Nano Bananaであればプロンプト1回で範囲指定することなくまとめて生成編集することができるので作業がラクです。
状態の変更

元の画像の状態を変更することもできます。Fireflyモデルでは元の画像を維持したまま別の状態にするのは非常に困難ですが、Nano Bananaであれば上図のような加工も可能です。

上図のように透明な包装フィルムを剥がす、といったこともプロンプト指示のみで完結します。
手書き図から完成品イメージを生成

紙に描いたラフを読み取り、余白・余白比・階層構造を解釈して高解像UIに整形してくれます。

UIだけでなく、建物や商品などあらゆるものをラフイメージから実写イメージの生成を行えます。
デザイン差し替え(服・アクセサリー・インテリア)

Fireflyモデルのみ、参照画像が利用可能ですが外部モデルにおいては現段階ではPhotoshopでは画像の指定ができません。
そのため、上図のように「このアクセサリーを耳に装着して」といった合成指示をしたい場合は下図のように参照したい画像を画面端に置いてから指示をすれば合成することができます。

文字・ロゴ・サイン類の生成
Nano BananaはFireflyと比べて圧倒的に文字認識精度が高いため、文字の差し替えにも有効です。
看板の文字を変えたり、チラシのロゴを差し替えたりといった編集も可能になっています。

ただし、「細かい文字」や「日本語の漢字」などは破綻することも多いので特殊な看板はNano Bananaを使い、細かいテキストはPhotoshopで手動編集するという使い方がおすすめです。
外部モデルはAdobe Fireflyのような学習ではない
Photoshopの生成塗りつぶしで選べる外部生成AIモデル(例:nano banana/Flux Kontext Pro)は、AdobeのFireflyとは学習データや利用条件が根本的に異なる部分があります。ここでは、著作権・商用利用・表示(トレーサビリティ)の観点で、一次情報に基づき要点を整理します。
学習データや利用規約が「Adobe」とは異なる前提で扱う
AdobeのFireflyモデルは「Adobe Stock(ライセンス済み)+オープンライセンス+著作権の切れたパブリックドメイン」を学習に用いており、商用利用を安全に行えるよう設計されています。
しかし、パートナーモデルについてはGoogleなど他社が独自にAIモデルの学習を行っているため、AdobeのAIポリシーとは異なります。そのため、モデル提供元の公開情報・規約を確認してから実務投入するのが前提です。
Photoshopのパートナーモデル(外部モデル)については、どのようなデータで学習されたかはモデル提供元ごとに異なるため、Adobeは利用者自身が“学習の焦点・商用利用の可否”を考慮して適否判断を行う責任がある
Adobeもパートナーモデルに関しては各モデルの利用規約に従うよう求めています。
外部モデルの業務利用はFireflyモデル以上に注意が必要
Fireflyは「学習経緯と補償」をAdobeが比較的明確化している一方、外部モデルは提供元ごとに学習データ・許諾条件が異なり、Adobeも「利用適否はユーザー判断」と案内しています。
商用案件では必ず各社のモデル規約と自社契約(補償有無)を確認し、Content Credentials等の開示で透明性を担保してください。
Nano Bananaを使った生成で人気の「写真からフィギュア風の画像を生成」がありますが、これはBandai風のロゴが出るなどの問題が大きく話題になりました。生成された内容によっては回収問題になる場合もあるので注意が必要です。
Nano Bananaなど外部モデルがPhotoshopでうまく使えない場合のQ&A
- モデル選択(Nano Banana / Flux)が表示されない
-
モデル選択が表示されない場合は以下の2点をチェックしてみてください。
- Photoshopがベータ版じゃない
- Photoshopベータ版がアップデートされていない
現在のところ、本機能はベータ版限定となっています。最新のベータ版(Ver.27.0以上)を使用してください。
あわせて読みたいAdobe CCのベータ版のダウンロード&インストール方法 ベータ版を使用することでまだ正式リリースされていないPhotoshopやPremiere ProなどのAdobeソフトの最新機能を利用することが可能になります。 Adobeの最新AI「Firefly… - 外部モデルの項目がグレーアウトして選べない
-
ベータ段階では提供エリア・アカウント年齢・管理者ポリシー等で制限されることがあります。
Adobe IDが日本になっているか、会社のアカウントの場合は管理者の機能制限やネットワーク制限などをチェックしてみてください。
また、外部モデル機能はプレミアム生成機能になるため、Creative Cloud ProプランやFireflyプランに加入している必要があります。
- 「問題が発生しました。再試行してください。」とエラーが出る
-
安全フィルタにより生成できない内容もあるため、プロンプトを変更してから再度試すとうまくいく場合があります。
その他、サーバー負荷で一時的に生成ができなくなっている、または短期間に生成しすぎて制限されている、などの可能性があります。
このエラーが頻発する場合、何を試してもうまくいかないため時間をおいて使用するしかありません。
その他、Photoshopの生成AI機能は以下の記事でまとめています。あわせてご覧ください。

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