生成拡張(Generative Expand)は生成塗りつぶし(Generative Fill)の範囲拡張版です。
下図のように生成AIで画像の見切れている部分や画像には存在しない部分を自然に補完し画像を広げてくれます。
写真、イラスト、絵画…など、テイストに合わせて自然に拡張してくれるので幅広い用途で活用することができますよ。
Photoshopの生成拡張の使い方
生成拡張の使い方はとてもシンプルですが、部分的にわかりにくい箇所もあると思うので図解付きで丁寧に解説していきます。
生成拡張の使い方手順
生成拡張を行いたい画像を開きます。以下のどの方法を選んでもOK
- 画像をPhotoshopにD&D
- ショートカットで開く :Ctrl+O / :Cmd+O
ファイル→開く→画像を選択
上記のどの方法を選んでもOKです。

画像を読み込んだら切り抜きツールを選択します。
切り抜きツールはツールバーにあるのアイコンです。
ツールバーにない場合はアイコンから追加することもできますし、ショートカットキーCでも選択できます。
画像の周囲に表示されるハンドルをドラッグして拡張したい範囲を決めてください。
この際にAltキー(MacはOptionキー)を押しながらドラッグすると中心を保ったまま拡張することができます。Shiftキーを押しながらドラッグすると縦横比を保ったまま範囲を変更できます。

切り抜きツールを使用して拡張したい範囲を広げたら、画面下部に表示されているコンテキストタスクバーの生成拡張を選択します。
元画像に合わせて自然に広げる場合は、プロンプトを空欄のまま生成をクリックします。追加したい被写体や背景がある場合は、プロンプトに生成したい内容を入力してから生成してください。

「生成」を実行すると複数のバリエーションが作成されます。作られた画像は、プロパティパネルの「バリエーション」またはコンテキストタスクバーから切り替えることができます。
気に入った生成画像がなければ、再び生成をクリックして新しいバリエーションを追加できます。気に入った結果に近い候補を増やしたい場合は、プロパティパネルのメニューから類似を生成を利用して選択した対象と似た内容になるように再生成することもできます。

生成画像はオリジナルの画像に上書きすること無く、生成レイヤーとして新しく作成されているため不要になったらレイヤーごと削除してしまっても問題ありません。
元の画像のエリアにはレイヤーマスクがかかっており、新しく生成した範囲だけが見えるようになっています。
生成レイヤーはスマートオブジェクトのように直接編集はできないようになっています。
ブラシツールや消しゴムツールなどで直接編集したい場合は右クリックメニューからレイヤーをラスタライズを選択してレイヤーをラスタライズして通常のレイヤーに変換してください。
生成レイヤーを残してあとから再編集したい場合は、PSDなどレイヤーを保持できる形式で保存してください。
生成拡張のオプション設定
生成拡張の設定はオプションバーで行うことができます。

生成拡張の設定は、オプションバーとコンテキストタスクバーで行います。
オプションバーでは、縦横比、幅・高さ、解像度などを指定して切り抜き範囲を設定できます。
画像の外側まで切り抜き範囲を広げたあと、コンテキストタスクバーの「生成拡張」を選択します。使用するモデルやプロンプトもコンテキストタスクバーで設定します。
生成拡張を使う際の注意点
生成拡張はあくまでもAIによる予測補完になるため現実とは異なります。
例えば以下のような風景画像を生成拡張すると、ある程度自然に画像が補完されているため違和感を感じることは少ないですが「現実の写真とは異なる」という点には注意が必要です。

生成された画像は単体で見れば現実の写真の様に見えますが、あくまでもAIによって生成された架空の画像であり、実際の風景とは異なります。
観光地や店舗の外観などに生成拡張を広範囲で使用した場合、実際の風景と異なってしまいユーザーに誤解を与える危険があります。
現実とは異なるものが生成されるという点に留意し、現実と異なったとしても問題がないシーンで利用しましょう。
生成拡張の活用方法
生成拡張をどんなシーンで使うと便利なのか、具体例をあげて活用方法を紹介します。
写真を拡張する


例えば上図のように被写体がメインの写真で体の一部や背景の大部分が見切れている写真を、全体を写した写真に変更することができます。
1枚しか画像がない場合でも生成拡張によって幅広い表現が可能になります。

生成拡張は、写真を16:9の横動画や9:16の縦動画に合わせて広げるなど、動画生成前の構図調整にも使えます。
足りない背景を補完してから動画を生成する流れは、Photoshopで画像から動画を生成する方法で解説しています。
イラストを拡張する

生成拡張は実写だけでなく、イラストや絵画などの制作物に対しても使用することができます。
以下のようにテイストに合わせて絵のタッチなどを活かしたまま生成拡張してくれます。


イラストの背景を広げたり、人物の足りない部分を描いたりすることができるので作業を簡略化したりとさまざまな用途に使用することができます。
手足や複雑な被写体の拡張はうまくいかないこともありますが生成塗りつぶしと合わせて利用することで補正することもできますし、細かい部分やうまくいかない部分は手書きで描いても良いですね。


生成拡張でコピースペースを作成する

画像を広告やアイキャッチなどに使用する場合、文字を入れるスペースが欲しいことが多々あります。
そんなときにも生成拡張が役立ちます。以下のように生成拡張でスペースを広げることでテキストを含んだデザインが作りやすくなります。

拡張と同時に画像加工を行う
生成拡張はプロンプト欄は空白のまま生成することができますが、プロンプトとして生成内容を指示することで自然な拡張ではない画像加工が可能です。
以下はプロンプトを空白のまま生成した場合と、プロンプトを入力した場合の比較画像です。


このようにプロンプトを入力することでさまざまなオリジナル生成が可能になります。
縦横比を変更する
16:8や2:1など、写真の比率はさまざまですが、利用したい比率にちょうどよい写真がない場合でも生成拡張を使えば縦横比に合わせて足りない部分を補完してくれます。
スマホで縦に撮影した画像を横画像として使いたいときなどにも重宝します。
今まではコンテンツに応じた塗りつぶしでごまかすか、トリミングでカットすることで縦横比を変更するしかありませんでしたが生成拡張を使えば、新たに無い部分の画像を自然に生み出すことができるのでより自然に縦横比を変更することができます。
生成拡張ができない場合の対処法やよくあるトラブル
生成拡張ができない
生成拡張ができないときは、以下の点を確認してください。
- 通常版のPhotoshopを最新版にアップデートする
- Adobe IDにログインしているか確認する
- インターネット接続を確認する
- ドキュメントがRGB/8bitになっているか確認する
- テキスト、シェイプ、スマートオブジェクトではなく、ラスターレイヤーを選択する
- 切り抜きツールを選択し、画像の外側まで切り抜き範囲を広げる
- コンテキストタスクバーが非表示の場合は
ウィンドウ→コンテキストタスクバーから表示する - クレジット制のプランでは、生成クレジットの残量を確認する
それでも利用できない場合は、Photoshopの再起動、Adobe IDへの再ログイン、PCの再起動を試してください。VPN、プロキシ、ファイアウォールによってAdobeの生成AIサービスへの接続が遮断されていないかも確認します。
生成AIの著作権は商用利用しても大丈夫?
Photoshopの生成拡張で作成したFireflyの出力は、商用プロジェクトで利用できます。ベータ機能についても、製品内に別途制限が明記されていない限り商用利用できます。
現在のFireflyモデルは、Adobe Stockなどのライセンス済みコンテンツとパブリックドメインのコンテンツを学習データとしており、Creative Cloud契約者の個人コンテンツは学習に使用されていません。
ただし、生成画像の著作権が必ず認められることや、第三者の著作権・商標・プライバシー・パブリシティ権を侵害しないことまで保証されるわけではありません。権利関係が重要な案件では、生成内容と使用方法を個別に確認してください。
Adobeの生成AI(Firefly)の著作権について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

生成拡張した一部分だけ直したい
生成塗りつぶし(Generative Fill)では範囲選択したエリアに対して画像生成を行うことができます。
- 編集したい範囲を選択
生成塗りつぶしを選択- プロンプトを入力して
生成をクリック
詳しくは以下の記事をご覧ください。

生成拡張は何回使える?
生成拡張はPhotoshopの標準生成AI機能で、1回の生成につき1生成クレジットを使用します。
Creative Cloud Pro、Fireflyプランなどでは、標準生成を無制限に利用でき、標準機能では生成クレジットは消費されないため何回でも利用可能です。
生成クレジットの残量は、AdobeアカウントまたはPhotoshop右上のアイコンから「生成クレジット使用状況」パネルで確認できます。
生成クレジットについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。

その他のPhotoshopのAI機能は以下の記事でまとめて紹介しているのでぜひご覧ください。


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