Adobe Expressは、SNS画像、チラシ、動画、PDF、プレゼンテーションなどを作成できるAdobeのオールインワン制作アプリです。以前のAdobe Spark/Adobe Creative Cloud Expressにあたります。
パソコンではWebブラウザー、スマートフォンではiOS・Androidアプリ、iPadでは専用アプリから使えます。登録にクレジットカードなども必要ありません。
Adobe Expressは無料で利用することができますが、プレミアム素材、ブランドキット、ワンクリックのサイズ変更などの機能を使う場合は有料プランが必要になります。
Adobe Expressの無料プランでできること

Adobe Expressは、無料プランでも画像だけでなく動画・文書・PDFを作成できます。テンプレートから始めるほか、白紙からレイアウトを組むことも可能です。
主に次のようなコンテンツを作成できます。
- InstagramやXなどのSNS投稿
- YouTubeのサムネイルや広告バナー
- チラシ、ポスター、メニュー、名刺
- 短い動画やSNS用クリップ
- プレゼンテーション、文書、PDF
- 簡単なWebページやリンクページ
無料対象の機能だけを使う場合は利用期限がなく、月額料金も発生しません。
Adobe Express以外の無料アプリは、Adobeの無料版で何ができるかで用途別に紹介しています。
テンプレート・Adobe Stock・Adobe Fontsを使える


無料プランでも、制作に必要なテンプレート、素材、フォントをAdobe Express内から選べます。
- 画像・動画用テンプレート:10万点以上
- Adobe Stockの限定コレクション:100万点以上
- Adobe Fonts:4,000種類以上
プレミアムアイコンが付いたテンプレート、素材、フォントは有料プラン向けです。素材の特徴はAdobe Stockとは何か、フォントの使い方はAdobe Fontsの無料版と有料版で詳しく説明しています。
写真・動画・PDFを編集できる
無料プランには、標準的な写真、動画、文書の編集機能が含まれています。
- 写真:明るさ・色の調整、切り抜き、フィルター
- 動画:トリミング、結合、速度変更、字幕や音声の追加
- PDF:編集、結合、ページ整理、ファイル変換
- 書き出し:JPG、PNG、PDF、GIF、PowerPointなど
動画機能は、SNS投稿や短い告知動画の制作に向いています。画像形式の選び分けは、JPG・PNG・GIF・SVGの違いで詳しく説明しています。
生成AI・SNS予約投稿・クラウド保存も利用できる


生成AIを使い文章から画像やテンプレートを作ったり、画像内のオブジェクトを追加・削除したりできます。
作成したデザインは自動的にクラウドに保存されます。SNSへの予約投稿もAdobe Expressで行うことができます。
無料プランに含まれる保存・運用機能は次のとおりです。
- SNSごとに1アカウントの投稿予約
- 5GBのクラウドストレージ
- 10日間のバージョン履歴
- 共有リンクと共同編集
無料プランとプレミアムプランの違い

Adobe Expressプレミアムの料金は月額1,180円です。無料プランでも基本的な制作はできますが、生成AI、使える素材やフォント、繰り返し制作を効率化する機能に差があります。
主な違いをまとめると次のとおりです。
| 比較項目 | 無料プラン | プレミアムプラン |
|---|---|---|
| 料金 | 0円 | 1,180円/月 |
| 生成AI | 無料クレジットの月間利用上限あり | 250生成クレジット |
| Adobe Fonts | 4,000種類以上 | 30,000種類以上 |
| テンプレート・Adobe Stock | 無料対象を利用 | プレミアム対象まで利用範囲が拡大 |
| PDFクイックアクション | 月10回まで | 無制限 |
| ワンクリックのサイズ変更 | ― | 利用可能 |
| ブランドキット | ― | 利用可能 |
| 高度な動画編集 | 標準的な動画編集 | 動画の背景削除・高度なアニメーションなど |
生成AIを使うならプレミアムとの差が大きい
無料プランでも画像生成やオブジェクトの挿入・削除などの生成AIを利用できますが、月間の利用上限があります。
プレミアムプランには毎月250生成クレジットが付属するため、何度も生成機能を使いたい場合はプレミアムのほうが使いやすくなります。

Adobe Fonts・テンプレート・Adobe Stockの選択肢が増える


無料プランでもテンプレートやAdobe Stock素材は豊富ですが、プレミアムアイコンが付いた素材は利用できません。
プレミアムでは画像・動画用のプレミアムテンプレートやAdobe Stock素材が使えるようになります。素材を探している途中で、使いたい写真やテンプレートがプレミアム限定という場面が減ります。

特に差が気になりやすいのがAdobe Fontsです。
無料プランでも4,000種類以上のフォントを利用できますが、プレミアムでは30,000種類以上のAdobe Fontsを利用できます。
フォントはデザインの印象を大きく変えるため、書体の選択肢を増やしたい場合はプレミアムのメリットが大きくなります。
サイズ変更やブランドキットで繰り返し制作しやすくなる
無料プランとプレミアムの差は、素材の数だけではありません。同じデザインを繰り返し作るときの機能も増えます。
プレミアムでは、1つのデザインをInstagram投稿、ストーリーズ、YouTubeサムネイルなどへワンクリックでサイズ変更できます。
ブランドキットにはロゴ、ブランドカラー、フォントなどを登録できます。毎回同じ色や書体を設定する必要がなく、複数の制作物でデザインを統一しやすくなります。
無料プランとプレミアムプランが向いている人
無料プランで不足を感じるまでは、そのまま使い続けて問題ありません。次の基準で選ぶとわかりやすいです。
無料プランが向いている人
- SNS画像やチラシをときどき作る
- 無料テンプレートと素材で足りる
- 生成AIは少し使えればよい
- フォントの種類に強いこだわりがない
- サイズ変更やブランド管理を頻繁に行わない
プレミアムプランが向いている人
- 生成AIを何回も使いたい
- 多くのフォントやプレミアム素材から選びたい
- 同じデザインを複数サイズへ展開したい
- ロゴや色などをブランドキットで管理したい
- 動画背景削除や高度な機能を使いたい
多くのCreative CloudプランにAdobe Expressプレミアムが付属
Adobe Expressプレミアムは、多くのCreative Cloudプランに含まれています。
Creative Cloud Pro/Standard、Photoshop/Illustrator/Premiereなどの単体プランに付属しています。ただし、InCopy、Substance、Acrobat Standardなど一部の単体プランは対象外です。
対象プランを契約している場合は、Adobe Expressプレミアムを別に購入する必要はありません。Creative Cloudの料金は、Adobe CCの料金プランと選び方で詳しく説明しています。
Adobe Expressを無料で始める方法
Adobe Expressの無料プランは、Adobe IDがあればすぐに利用できます。無料プランを選ぶ場合はクレジットカードの登録も必要ありません。
初めて利用する場合はアカウント作成から、すでにCreative Cloudなどを使っている場合は現在のAdobe IDでログインします。
Adobe IDを持っていない場合は、メールアドレスやGoogle・Appleなどのアカウントを使ってAdobe IDを作成しましょう。IDの取得は無料です。
PhotoshopやIllustratorなどを契約している場合は、新しいアカウントを作らず、現在のAdobe IDでログインします。すでにAdobe IDがある場合は、Adobe Expressページにアクセスするだけです。

ログインするとAdobe Expressのホーム画面が表示されます。「写真編集」「プレゼンテーション」「動画」「テンプレート」など、作りたいものを選択します。
一番上の検索欄から用途やデザインを探すこともできます。テンプレートを使わず、サイズを指定して白紙から作成する場合は「新しいデザインを開始」を選択します。
はじめて使う場合はテンプレートを使って機能をいろいろ試してみるのがおすすめです。

テンプレート一覧から好みのデザインを選ぶと上図のような編集画面が開きます。無料プランでは、プレミアムアイコンが付いていないテンプレートを選べます。
- 画面左側のツールバーから文字や写真を追加できる
- コンテンツを追加でグラフや生成画像などを挿入できる
- テキストをクリックすると文字の色やフォントを変更できる
- テキストをダブルクリックすると文字を入力し直せる
- 画像をクリックすると画像編集オプションが表示される
- 右側のレイヤーはドラッグして重ね順を変更できる
上記の機能を使いながらデザインを仕上げます。
無料プランでもこれらの基本機能は普通に使用することができます。

完成した画像や動画は「ダウンロード」からPNGやJPG、PDFとして書き出すことができます
他の人と編集する場合は「共有」から書き出し・共有できます。
Adobe ExpressとほかのAdobeアプリとの違い
Adobe Expressには写真編集、動画編集、生成AIなど多くの機能がありますが、PhotoshopやIllustratorなどの専門アプリを置き換えるものではありません。
複数の素材を組み合わせてSNS画像やチラシなどを完成させるのがAdobe Expressです。写真、イラスト、動画そのものを細かく編集するときは、それぞれの専門アプリが向いています。
Photoshop・Illustrator・Premiereとの使い分け
Adobe Expressでも写真や動画を編集できますが、専門アプリほど細かな編集機能はありません。
| 作業内容 | 適したアプリ |
|---|---|
| SNS画像、チラシ、広告バナー、プレゼン資料 | Adobe Express |
| 写真補正、合成、細かなレタッチ | Photoshop |
| ロゴ、イラスト、ベクターデータ制作 | Illustrator |
| 長尺動画、細かな映像・音声編集 | Premiere |
例えば、Adobe Expressでも写真の背景削除や明るさ調整はできます。複数レイヤーを使った合成や細かなマスク編集まで行う場合はPhotoshopが適しています。
Adobe Expressではロゴやイラストを配置してデザインできますが、パスを細かく編集したり、拡大しても劣化しないベクターの元データを作成したりする場合はIllustratorを使用します。
動画もトリミング、字幕追加、音楽の挿入などはAdobe Expressで行えます。しかし、多数のカットや複数の映像・音声トラックを扱う本格的な動画編集にはPremiereが向いています。
Adobe Express Photos・Photoshop Expressとの違い
Adobeには「Adobe Express Photos」と「Photoshop Express」という名前の似た画像編集アプリもあります。
Adobe Expressと共通する機能もありますが、扱える内容には次のような違いがあります。
| 主な機能 | Adobe Express | Adobe Express Photos | Photoshop Express |
|---|---|---|---|
| SNS画像・チラシなどのデザイン | |||
| 動画編集 | |||
| PDF・プレゼン制作 | |||
| 写真の色・明るさ調整 | |||
| 背景・不要物の削除 | |||
| スクリーンショット撮影・注釈 | |||
| 人物写真のレタッチ | |||
| コラージュ・写真の加工 |
Adobe Express PhotosはWindowsでスクリーンショットや画像をすばやく編集するためのアプリです。スクリーンショットへ矢印や文字を書き込んだり、写真を切り抜いたり、背景や不要物を削除したりできます。
編集した画像はAdobe Expressへ送り、SNS投稿、チラシ、プレゼンテーションなどの素材として利用できます。
Photoshop Expressは写真補正やレタッチを中心としたアプリです。明るさや色の調整だけでなく、フィルター、人物補正、不要物の削除、コラージュなど写真そのものを加工する機能が充実しています。
Adobe Expressについてよくある質問
- 無料プランに利用期限はありますか?
-
無料プランに利用期限はありません。Adobe IDで登録すれば、無料対象の機能を継続して利用できます。
30日間の無料体験はプレミアムプランに対する試用期間です。無料体験中はプレミアム機能が使用できます。
- 作成したデザインは商用利用できますか?
-
使用した素材、フォント、生成AI機能の利用条件を守れば、広告、SNS、チラシ、Webサイトなどの商用制作に利用できます。
素材そのものの再配布や販売、素材を主な価値とする商品への利用、商標登録には別の条件があります。プレミアムアイコン付きコンテンツは限定ライセンスです。
Adobe Stock素材の利用範囲は、Adobe Stockのライセンスで用途別に説明しています。
- プレミアムの無料体験が終わるとどうなりますか?
-
30日間の無料体験を終了前に解約しなかった場合は、プレミアムプランの月額料金が請求されます。
無料体験の終了前に解約すれば料金は請求されません。契約後は解約するまで月ごとに自動更新されます。
- 作成したファイルはどこに保存されますか?
-
編集ファイルはAdobeアカウントのクラウドへ保存されます。同じAdobe IDでログインすれば、対応する別の端末から開けます。
完成した画像、動画、PDFなどを端末へ保存するときは「ダウンロード」を使います。
Adobe Expressは無料プランから始めるのがおすすめ
Adobe Expressは、SNS画像、チラシ、短い動画、PDF、プレゼンテーションなどを一つのアプリで作成できます。
無料プランでも、テンプレート、Adobe Stock、Adobe Fontsを利用できます。写真・動画・文書編集、PDF機能、生成AIにも対応しています。
最初からプレミアムを契約せず、無料プランで実際に制作してから判断するのがおすすめです。プレミアム素材、ブランドキット、複数サイズへの展開が必要になった時点でアップグレードします。
PhotoshopやIllustratorなどを含む有料プランについては、Adobe CCの料金プランと選び方で解説しています。

コメント
コメント一覧 (1件)
>Adobe Expressのアプリだけで正方形の画像を横幅だけ伸ばしたいのですが、方法はありますか?
生成拡張でAdobe Expressアプリでも「サイズ変更」から生成拡張が可能です。

サイズ変更→横幅だけ数値を増やす→生成拡張にチェックを入れる→サイズ変更を押すとAIが伸ばしてくれます。
もし、AI補完が不要でサイズだけを横に伸ばしたい場合は生成拡張のチェックを外すだけです。
Photoshopをお持ちの場合は以下の記事の方法がおすすめです。
https://321web.link/generative-expand/