Photoshop iPhone版は、レイヤーやマスクを使った画像合成、写真のレタッチ、生成AIまでスマートフォンで扱える画像編集アプリです。基本機能は無料で使えます。
iOS 18以降のiPhoneに対応し、Android版もベータとして公開されています。本記事ではiPhone版を中心に、スマホ版でできること・できないこと、無料版と有料版の違い、Android版との機能差を説明します。
スマホだけでも本格的な編集ができますが、デスクトップ版のすべての機能を置き換えるアプリではありません。どの作業までスマホで完結できるかも、実務での使い分けを含めて解説します。
\基本機能は無料で使えます/
Photoshop iPhone版(スマホ版)とは?

Photoshop iPhone版は、写真の補正だけでなく、複数画像の合成、テキスト配置、レイヤー編集、生成AIまで行えるPhotoshopモバイル版です。
Photoshop Expressのような簡易加工アプリとは異なり、レイヤーやマスクを使って編集内容を分けながら作業できます。デスクトップ版のPSDを開き、外出先で一部だけ修正する用途にも使えます。
Photoshop iPhone版の主な特徴
- 基本機能は無料で使える
- レイヤー・マスク・調整レイヤーを使った非破壊編集に対応
- 選択、レタッチ、変形、文字入れ、レイヤースタイルが使える
- 生成塗りつぶし・生成拡張・画像生成・AIアシスタントを利用できる
- Adobe Stock、Lightroom、ファイル、カメラから画像を読み込める
- クラウド経由でiPad版・web版・デスクトップ版とデータを共有できる
画面はスマートフォン向けに作り直されていますが、レイヤー、選択範囲、マスクなどPhotoshopの基本的な考え方は共通しています。
基本機能は無料で使える

Photoshop iPhone版は無料でダウンロードでき、レイヤー、マスク、タップ選択、スポット修復、生成塗りつぶし、生成拡張などを使えます。
生成AI機能も一部は無料で使えますが利用回数には制限があります。削除ツールやコピースタンプ、高度な選択、外部フォントの読み込み、高度な書き出しなどが必要になった場合にはプレミアム機能を追加する必要があります。
画像内の指定した位置に自然に画像を生成して挿入できる「生成塗りつぶし」がスマホ版でも利用可能です。
画像の範囲を広げる「生成拡張」も手軽に利用可能。
無料版だけでも写真の補正、簡単な合成、SNS画像の作成には使えます。PSDやTIFFを含む書き出し、精密なレタッチ、生成AIを継続的に使う場合は有料版の方が適しています。
有料版ではレタッチ・選択・書き出し機能が増える

有料版では以下のような機能が利用可能になります。
- 削除ツール
- コピースタンプツール
- コンテンツに応じた塗りつぶし
- オブジェクト選択・自動選択
- 高度な描画モード
- Adobe Fontsと手持ちフォントの読み込み
- PSD・TIFF・JPG・PNGの高度な書き出し
- Photoshop web版
- 生成クレジットの追加(プランによって付与数が変わります)
フォトプラン、Photoshop単体プラン、Creative Cloud Proなど、Photoshopを含む対象プランを契約している場合は、モバイル版のプレミアム機能を追加料金なしで使えます。
料金やプラン選びの詳細は、Photoshop iPhone・iPad版の料金と有料プランを解説した記事をご覧ください。
Photoshop iPhone版でできること
Photoshop iPhone版は、写真を一枚ずつ加工するだけでなく、複数の画像や文字をレイヤーで組み合わせて一つのデザインを作れます。
レイヤー・選択・補正を使った本格的な編集
- レイヤーの追加・並べ替え・複製・ロック
- レイヤーマスクとクリッピング
- 調整レイヤーによる非破壊補正
- レイヤースタイルによる影・境界線・光彩などの装飾(文字装飾の作り方)
- 描画モードと不透明度の調整
- 範囲選択、タップ選択、クイック選択ブラシ、自動選択、オブジェクト選択
- ブラシツールとスポット修復
- コピースタンプツール
- コンテンツに応じた塗りつぶし
- トーンカーブ、露光量、カラーバランス、自然な彩度などの補正
- 画像・カンバスのサイズ変更
- 拡大縮小・回転・傾斜・ゆがみ・遠近法
- トリミングと背景の切り抜き
- スマートオブジェクトとしての配置・変形
- Adobe Fontsや外部フォントを使った文字入力
- PSDの読み込み・編集・書き出し
リンクはデスクトップ版での解説なのでUIは異なるものの、基本的な使い方は共通しています。
調整レイヤーでは、色相・彩度、明るさ・コントラスト、白黒、カラーバランス、露光量、トーンカーブ、自然な彩度を扱えます。iPhone版のレイヤースタイルも、境界線、ドロップシャドウ、カラーオーバーレイ、光彩、ベベルとエンボス、内側のシャドウなどに対応しています。
画像を細かく選択して補正する、複数画像を合成する、テキストと写真を組み合わせてSNS画像を作るといった作業は、iPhone版だけでも進められます。
生成AIとAIアシスタントで画像を編集できる
スマホ版では以下のような生成機能を利用できます。
Photoshop iPhone版では、生成AIを使った追加・削除・拡張に加えて、文章や音声で編集を指示できるAIアシスタントも利用できます。
AIアシスタントでは「背景を夕方に変更」「人物だけ明るくする」のような内容を入力し、対象範囲の選択と編集をまとめて行えます。必要に応じてツール画面へ切り替え、通常のPhotoshop機能で細部を仕上げます。
顔補正と多彩なエフェクトを使える
iPhone版には顔の各パーツを検出して表情や見え方を調整する顔ツールがあります。スポット修復、削除、コピースタンプ、覆い焼き・焼き込みに相当する明暗調整も利用できます。
効果パネルでは、ぼかし、モーションブラー、放射状ぼかし、グリッチ、ピクセレート、ノイズ、粒子、ハーフトーン、デュオトーン、ボケなどを適用できます。デスクトップ版の全フィルターではありませんが、スマホ向け画像の見た目を変える機能は充実しています。
PSDを開いて外出先で修正できる
iPhoneを常に持ち歩いている人にとっては外出先でPSDデータを開き、文字や画像を差し替えて再びPSDとして保存できる点は大きなメリットです。
外出先でありがちな以下のようなシーンで役立ちます。
- 公開済みSNS画像の文字を急いで修正する
- クライアントから届いたPSDの内容を確認する
- 不要物を削除してJPG・PNGを書き出す
- 撮影した写真をその場で補正して共有する
- 生成AIでラフ案や背景の候補を作る
小さな画面なのでレイヤー数の多いデータを長時間編集する用途には向きませんが、短時間の修正や確認ではパソコンを開くより早く対応できます。
Android版も利用できる|iPhone版との違い
Photoshop Android版はベータとして公開されており、Android 11以降、6GB以上のメモリを搭載したスマートフォンで使えます。快適に使う場合は8GB以上が推奨されています。
| 比較項目 | iPhone版 | Android版 |
|---|---|---|
| 提供状態 | 正式版 | ベータ版 |
| レイヤー・マスク・選択 | 対応 | 対応 |
| 生成塗りつぶし・生成拡張・調和 | 対応 | 対応 |
| 顔ツール | 対応 | 未対応 |
| トーンカーブ | 対応 | 未対応 |
| 「ライトとカラー」画面 | 対応 | 未対応 |
| レイヤースタイル | 境界線・影・光彩・ベベルなど | 境界線・ドロップシャドウ |
| タブレット | iPad版を利用可能 | Androidタブレット非対応 |
Android版にもレイヤー、マスク、調整レイヤー、選択、レタッチ、生成AIなど主要機能が揃っています。ただし、顔ツールやトーンカーブなど、iPhone版だけで使える機能もあります。
Photoshop Android版はGoogle Playから無料でダウンロードできます。
Photoshopスマホ版でできないこと
Photoshopモバイル版は大幅に機能が増えていますが、デスクトップ版にあるすべての編集・自動化・カラーマネジメント機能を使えるわけではありません。
スマホ版ではできないこと、デスクトップ版だけで使う主な機能
- ニューラルフィルター
- ペンツールとパスの精密編集
- 複数アートボードの管理
- CMYK変換・ICCプロファイルの指定・校正
- スマートオブジェクトのソース編集とスマートフィルター
- デスクトップ版の「色の置き換え」コマンド
- 変数・データセット、アクション、バッチ処理
- マッチフォントによる類似フォント検索
- スーパーズームやスーパー解像度などの高解像度化
- デスクトップ版のフィルターギャラリー・プラグイン・スクリプト
スマホ版にも多数のエフェクトがありますが、デスクトップ版のフィルター、ニューラルフィルター、プラグインをそのまま使えるわけではありません。
スマートオブジェクトとして配置・変形することはできますが、リンクされた素材やソース内容を開いて更新し、スマートフィルターを細かく調整する作業はデスクトップ版へ引き継ぎます。
CMYKやカラープロファイルを扱う印刷作業には向かない
Photoshopスマホ版はRGB画像の編集が中心です。デスクトップ版のようにドキュメントをCMYKへ変換したり、印刷条件に合うICCプロファイルを指定したり、色校正を行ったりする用途には向きません。
Web・SNS用のJPGやPNGを作る場合は大きな問題になりませんが、印刷所へ渡すCMYKデータや厳密な色管理が必要な画像は、Photoshopデスクトップ版で最終確認と書き出しを行います。
仕事には使えるが、スマホだけで完結しにくい作業もある
Photoshop iPhone版は、SNS画像、Webバナー、写真のレタッチ、不要物の削除、PSDの文字修正など、納品形式がJPG・PNGで完結する仕事にも使えます。
スマホ版で進めやすい作業
- SNS画像・サムネイルの作成
- 写真の補正とレタッチ
- 不要物・背景の削除
- PSDの確認と短い修正
- 生成AIによるラフ制作
デスクトップ版へ引き継ぐ作業
- CMYK・ICCプロファイルを使う印刷入稿
- ペンツールによる精密なパス作業
- 複雑なスマートオブジェクト編集
- 多数ファイルへの一括処理
- プラグイン・スクリプトを使う制作
機能が対応していても、小さな画面で多数のレイヤーや細かな数値を行き来する作業は時間がかかります。外出先の修正とラフ制作はスマホ、複雑な制作と最終仕上げはデスクトップ版という使い分けが実用的です。
無料版と有料版は必要な機能で選ぶ
写真の補正、簡単な合成、レイヤー・マスクの利用、生成AIを少量使うだけなら無料版から始められます。
削除ツール、コピースタンプ、コンテンツに応じた塗りつぶし、高度な選択、外部フォント、PSD・TIFFを含む高度な書き出しが必要なら、有料版へ加入する価値があります。
- iPhone・iPad・web版だけを使う:モバイル版+web版 1,300円/月
- パソコン版とLightroomも使う:フォトプラン 2,380円/月
- Illustratorなど複数のAdobeアプリも使う:Creative Cloud Pro
モバイル版の料金や含まれる機能は、Photoshop iPhone・iPad版の料金と有料プランを解説した記事で詳しく説明します。
デスクトップ版を含むプランの違いは、Photoshopの料金とフォトプランの選び方をご覧ください。

Photoshopスマホ版のよくある質問
- Photoshop iPhone版は無料で使い続けられますか?
-
基本機能は無料で継続利用できます。生成AIの無料利用には上限があり、削除ツール、高度な選択、外部フォント、高度な書き出しなどはプレミアム機能です。
- Androidスマートフォンでも使えますか?
-
Android 11以降、6GB以上のメモリを搭載したスマートフォンでベータ版を使えます。AndroidタブレットとChromebookには対応していません。
- iPhone版とiPad版は別のアプリですか?
-
App Storeでは同じPhotoshopアプリがiPhoneとiPadに対応しています。画面構成や操作性は端末に合わせて異なり、iPad固有の特徴はPhotoshop iPad版でできること・できないことで詳しく説明します。
- Photoshop Expressとの違いは何ですか?
-
Photoshop Expressはフィルターや自動補正を中心とした手軽な写真加工アプリです。Photoshopモバイル版は、レイヤー、マスク、調整レイヤー、生成AIを使って合成や細かな編集を行えます。
機能と用途の違いは、Photoshop Expressの特徴と使い方で詳しく説明します。
- iPhoneでPSDファイルを編集できますか?
-
PSDを開き、レイヤーや文字を編集できます。高度なPSD書き出しはプレミアム機能で、複雑なスマートオブジェクト、スマートフィルター、プラグインを使うデータはデスクトップ版で仕上げます。
- ブラシや修復ツールの大きさは変更できますか?
-
現在のモバイル版ではブラシのサイズと不透明度を変更できます。クイック選択ブラシ、スポット修復、コピースタンプではサイズや硬さも調整できます。
- Photoshopスマホ版だけで仕事はできますか?
-
SNS画像、写真のレタッチ、不要物削除、PSDの短い修正は仕事にも使えます。CMYK、ICCプロファイル、精密なパス、一括処理、複雑なスマートオブジェクトが必要な案件はデスクトップ版を併用します。
外出先の編集はスマホ版、複雑な仕上げはデスクトップ版
Photoshop iPhone版は、無料の範囲でもレイヤー、マスク、補正、生成AIを使えます。プレミアム版ではレタッチ、選択、フォント、書き出しが強化され、PSDを使った実務にも対応しやすくなります。
スマートフォンを常に持ち歩ける利点は大きく、急ぎの修正、写真の加工、ラフ制作では非常に便利です。一方、CMYKやカラープロファイル、精密なパス、一括処理を含む制作は、Photoshopデスクトップ版へ引き継ぎましょう。
\基本機能は無料で使えます/

コメント
コメント一覧 (7件)
スマホでこれだけ画像編集できるのは便利ですねぇ。いちいちパソコン起動したくない時もあるから嬉しい
うーん…さすがにスマホの画面だと操作しにくいな…スマホ編集レベルだと消しゴムマジック的な機能でいいし色調補正も標準の編集機能で十分
レイヤー使って合成とかするには便利だけどそんな作業をわざわざスマホでやるものかな?
生成塗りつぶしはどうやってやるんですか?
Photoshop iPhone版の使い方について解説しました。
生成系機能の使い方をメインに解説したので参考にしてください。
初心者でも一瞬! Photoshop iPhone版「画像を生成」の使い方 【生成AI】
個人的にはiPhoneめちゃめちゃ便利でありがたいし不足なし
普通にpsd開けるんで「テキストだけ変えて欲しい」みたいな依頼を出先で受けた時にすぐに対応できて助かってます
iPadは邪魔で持っていかないこと多いけど、iPhoneは100%持ち歩いてるってのが大きい
ブラシツール・消しゴムの大きさって無料版では変えられないのかな?今までは無課金で使ってたけど、これに気付いちゃって、決して『実用的』とは言えないなと😅
ブラシ・消しゴムツールの大きさ変更は無料版とか関係なしに無い気がします。
画面を拡大すれば相対的にブラシの大きさが変わるので細かいところを塗りたい時は拡大して行う、ざっくり塗りたい時は縮小してまとめて行う、と言う感じでサイズ変更の代わりになると思います。